日中韓首脳、27日会談=実務協力合意、北朝鮮協議へ
【ソウル時事】岸田文雄首相は26日午後、日中韓首脳会談(サミット)に出席するため、政府専用機でソウルに到着した。27日に約4年半ぶりに開かれるサミットでは、経済、災害対応、人的交流などを巡る「未来志向の実務協力」で合意。核・ミサイル開発を進める北朝鮮情勢も協議し、成果をまとめた共同宣言を発表する。
サミットは2019年12月の中国・成都以来で、韓国の尹錫悦大統領、中国の李強首相が出席する。岸田首相は出発前、羽田空港で記者団に「地域の平和や繁栄に責任を持つ3カ国の首脳が一堂に会し、議論することは大きな意義がある。胸襟を開いて率直に意見交換し、日中韓プロセスの再活性化につなげたい」と語った。
3首脳は3カ国の自由貿易協定(FTA)交渉の停滞打開に向けて意見交換。感染症や少子高齢化など共通して抱える政策課題での協力を確認し、東南アジア諸国連合(ASEAN)との連携強化を申し合わせる。25年からの2年間を「文化交流年」と位置付け、大学や自治体の交流促進、3カ国間の観光活性化でも一致する。
北朝鮮の核・ミサイル問題では朝鮮半島の非核化や国連安全保障理事会決議履行の重要性などでの認識の共有を目指す。岸田首相は日本人拉致問題の解決に向けて中韓両国の後押しを呼び掛ける考えだ。
共同宣言にはサミットの定例開催も明記される見通しだ。3首脳は会談に先立ち、26日に夕食会に臨んだ。岸田首相は27日に帰国する。
◇過去の日中韓首脳会談
2008年12月 福岡
09年10月 北京
10年 5月 韓国・済州島
11年 5月 東京
12年 5月 北京
15年11月 ソウル
18年 5月 東京
19年12月 中国・成都
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