6月から初・再診時に負担増=医療従事者の賃上げで―診療報酬改定
公的保険が適用される医療サービスの値段である診療報酬が6月から変わる。初診時にかかる料金が30~730円、再診時も20~120円上乗せされる。若手勤務医のほか看護師ら医療従事者の賃上げ原資に充てるためで、かかった医療費の原則1~3割に当たる自己負担額が増える。
診療報酬改定は賃金水準の低い医療従事者の処遇を改善し、人手不足の緩和につなげるのが狙いの一つ。初診料は30円増の2910円となり、職員の賃金をベースアップする診療所ではさらに60~700円加算する。小規模施設ほど加算額が高くなる仕組みで、3割負担の患者だと初診時の支払いは最大で219円増える。
再診料は20円増の750円になる。賃上げする場合は20~100円上乗せされ、3割負担の窓口での支払額は最大で36円アップする。
入院基本料も病棟の種類に応じて1日当たり50~1040円上がる。長年、1食当たり640円に据え置かれていた入院時の食事代は、物価高に対応するため670円に値上げ。通常の場合、患者負担額は30円増の490円になる。
一方、病院の敷地内にある薬局は、住宅地にある一般的な薬局と比べて極めて効率的に患者を集められることから薬剤師の技術料が引き下げられる。このため、敷地内薬局では患者の窓口負担が安くなる。
診療報酬は原則2年に1度見直している。従来の改定時期は4月だったが、準備に伴う医療現場やシステム業者の負担軽減で今回から6月施行になった。
[時事通信社]
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