為替介入「日常的措置でない」=中国のロシアへの供給警戒―米財務長官
【ストレーザ時事】イエレン米財務長官は23日、イタリア北部ストレーザで開催される先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を控えて記者会見し、為替介入について「日常的に使われる措置ではない」と述べ、頻繁な実施にくぎを刺した。また、中国がロシアへ重要物資を供給していることへの警戒感をあらわにした。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金利据え置きが長期化するとの見方から、ドル高が進行。急激な円安に対し、日本政府・日銀は4月下旬から5月初めにかけて為替介入を実施したとみられる。
イエレン氏は、為替の動きは大部分が各国経済の違いを反映しており、主要国が為替レートを市場に委ねる原則に改めて言及。為替は経済に影響を及ぼすものの、「介入はまれで、行うなら事前に伝えるべきだ」と強調した。
また、ウクライナ侵攻を続けるロシアの軍需産業に対し、「中国が重要な供給源になっているようだ」と懸念。「こうした貿易の制限で、G7などは協調することが適切だ」と訴えた。
バイデン米大統領は昨年12月、ロシアの軍需産業と取引のある金融機関に制裁を科す大統領令に署名している。イエレン氏は「制裁はまだ行っていないが、積極的に科す可能性がある」と言明。制裁は中国だけでなく、どの国の銀行も対象になると述べた。
G7では、経済制裁の一環で凍結されたロシア資産のウクライナ支援への活用が主要議題となる。欧州連合(EU)は先に、凍結資産から得られる利息収入を、ウクライナへの軍事支援などに使うことで合意済みだ。
イエレン氏は凍結資産活用について、ウクライナ支援で「今後数年にわたって実行可能な資金源になることを望んでいる」と話した。
[時事通信社]
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