「置き配」専用、ゆっくり配送も=24年問題対応で新サービス―通販各社
トラック運転手不足が深刻化する「2024年問題」への対応策として、インターネット通販各社が新たな配送サービスに取り組んでいる。玄関前などへの「置き配」専用便や、発送を遅らせる「ゆっくり配送」も登場。再配達の削減など物流効率化が狙いで、割安な送料やポイント還元といった特典で利用を促す。
フリマアプリのメルカリは3月28日、受け取りを置き配だけに限定する「エコメルカリ便」を始めた。利用には購入者の許可が必要で、3辺の合計が100センチ以内の荷物に対応する。送料は一律730円で、通常の配送方法より20~300円程度安くなる。東京都と神奈川、埼玉、千葉各県が対象だが、順次地域を広げる計画だ。
発送の際は、コンビニエンスストアのローソンなどにある無人投函(とうかん)ボックスを利用する。広報担当者は「持続可能な配送サービスを目指す」と意気込む。
衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOが4月2~22日に試験導入した「ゆっくり配送」は、商品の発送を遅らせる代わりに、同サイトで使えるポイントを10円分付与。配送日程にゆとりを持たせ業務の平準化を図るのが狙いで、「本格導入に向け検討している」(広報)という。
「即日配送」などスピード重視の戦略とは異なるが、消費者の関心は高い。LINEヤフーの通販サイト「Yahoo!ショッピング」が昨年4月に本格導入した「おトク指定便」は、遅めの配送日を指定すればポイントが得られるサービスで、顧客の約3割が選択。特に日持ちする食品や化粧品で利用ニーズが高いといい、同社は「顧客はお得に利用でき、店舗と配送業者は作業負荷を軽減できる『三方よし』のサービスだ」と説明している。
[時事通信社]
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