最後は「チーム力」=アジア制しパリへ―サッカー五輪予選
これまでの相手とは明らかに勝手が違った。マンツーマンでマークされて中盤が機能せず、ロングボールの競り合いでは後手に回る場面も多かった。山本は「あの時間まで0対0で耐えられたことが全て。チーム力が出た試合だった」。
11分のロスタイムが掲出された直後、中盤で高井がボールを奪取。素早く藤田、荒木を経由して山田楓へ。「ああいう試合を決める左足を持っている」。背番号11がゴール右を射抜いた。今大会無失点だったウズベキスタンから、ついにリードを奪う。
ヤマ場はその後訪れた。ゴール前の競り合いで関根にハンドの反則があり、VARの介入でPKに。立ちはだかったのが、チームを盛り上げてきたGK小久保だ。スタッフによるキッカーの特徴分析に加え、仲間から「止められるよ」と声を掛けられ、自信を持って右へ飛んだ。完璧なセーブ。守護神は終了の笛が鳴る前から涙を流した。
この世代同士で対戦した2年前の準決勝で敗れた相手に、雪辱を果たして頂点に立った。途中出場の選手が決勝点を奪い、ムードメーカーが最大のピンチを救う、「23人全員」で戦った今大会を締めくくるにふさわしいフィナーレだった。(ドーハ時事)
[時事通信社]
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