米テスラが正念場=4年ぶり減収、先行きに不透明感
【ニューヨーク時事】米電気自動車(EV)大手テスラが正念場を迎えている。2024年1~3月期決算は約4年ぶりの減収、大幅な減益と厳しい内容。安価な新モデルや自動運転技術の開発に命運を懸けるが、先行きには不透明感が漂う。
テスラはこの数年間で急成長を遂げ、自動車メーカーとして時価総額で世界首位に立つ。ただ、主要市場の米中両国で新しい物を好む層の購入が一巡したとされ、販売が減少。直近ではハイブリッド車(HV)の躍進に見劣りする。
「世界のEV販売は、多くのメーカーがEVよりもHVに注力しているため、引き続き下押しされている」。テスラは決算資料でこう説明した。意図は不明だが、販売不振への焦りを強めているとみられる。
こうした中、テスラが次の成長の起爆剤にしようとしているのが、現行よりも安価なモデルを含む新車種だ。開発中止も報じられていたが、テスラは23日、これまで「25年後半」としていた生産開始時期を前倒しすると明らかにした。
これに米株式市場は好意的に反応したものの、具体的な価格など詳細はいまだ判然としない。マスク最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、完全な新型車となるのか、それとも現行車種をベースにした製品になるのかを尋ねられたが、「その点は既に述べた」と回答を避けた。
一方、マスク氏が説明会で大部分の時間を割いたのが自動運転技術の進展ぶりだ。8月に無人タクシーを披露する予定で、「エレベーターで何も考えなくても希望の階に到着するのと同じ」ように使えるようになるという。ただ、各社とも長年にわたって取り組んでいるが、完全な自動運転は実現しておらず、マスク氏の言葉通りに事が運ぶかは見通せない。
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