巨大サケ、牙は横向き=数百万年前まで北太平洋に生息―化石調査で判明・米大学
北太平洋や周辺の河川に数百万年前まで生息した巨大なサケの一種は、上顎の先端から左右の牙が横向きに突き出ていたことが分かった。米オレゴン大などの研究チームが24日付の米科学誌プロスワンに発表した。米オレゴン州で発見された化石が1970年代前半に報告された際は、絶滅したサーベルタイガー(剣歯虎)のように牙が下を向いていると考えられていた。
この絶滅種はサケ属のラストロスス種。成体の体長は2.4~2.7メートルで、サケ科史上最大と推定される。新たに見つかった化石を含め、研究チームがコンピューター断層撮影(CT)などで詳細に調べた結果、雌雄とも牙が横向きに突き出ていたと判明した。
牙以外の特徴は現代のベニザケに近く、主にプランクトンを食べていたとみられる。このため、牙はサメなどの天敵から身を守ったり、同種間で争ったりするほか、産卵前に川底を掘るのに使ったと考えられるという。
この絶滅種の化石は日本でも見つかっている。群馬県立自然史博物館によると、同県安中市の碓氷川の川岸で1999年に上顎骨の先端と牙1本が発見され、年代は約1100万年前と推定された。
[時事通信社]
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