イスラエル軍、ガザ南部侵攻の準備完了か=避難民用テント4万張り調達
【カイロ時事】ロイター通信は24日、イスラエル国防省高官の話として、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスと交戦を続けるイスラエル軍が、ガザ最南部ラファへの地上侵攻に向けた準備を全て完了したと伝えた。政府が承認すれば、いつでも作戦を開始できるという。避難民ら約150万人が身を寄せるラファで本格的地上戦が行われれば、民間人の死傷者の増加は避けられない。
人道状況への懸念から米国などは幾度もラファ侵攻の再考を要求してきた。しかしイスラエルは、ハマスの大隊がラファに残っているとして、攻撃に踏み切る構えを崩していない。
地上侵攻に先立ち、イスラエル軍はラファの民間人を退避させるとしている。ロイターは24日、軍が避難民向けのテント4万張りを調達したと報道。ガザ南部ハンユニス付近には「テント村」ができているとの情報もある。軍は予備役の2旅団をガザでの作戦のため動員すると発表している。
ロイター報道に先立ち、イスラエル軍は23日、ガザ各地で作戦を強化し、「過去数週間で最も激しい砲撃」(地元メディア)を実施した。X(旧ツイッター)では、北部ベイトラヒヤの住民に「危険な戦闘地域にいる」として退避を勧告。軍は1月、北部でハマスの「軍事的枠組みを解体した」と発表していたが、ハマスは依然、北部で勢力を保っているもようだ。
一方、ターク国連人権高等弁務官は23日、イスラエル軍部隊が突入したガザ南部ハンユニスのナセル病院で300人以上の遺体が発見されたことを受け、「恐怖を感じる」と表明。独立した調査が必要だとの考えを示した。
また、人権問題担当の米高官は23日、イスラエルの物流制限を原因とするガザの食料難に関し、イスラエルが一定程度状況を改善させたと理解を示しつつ、ガザ北部で飢饉(ききん)が起きる可能性が「非常に高い」と警告した。
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