ガザ空爆で瀕死の母親から女児誕生 医師「奇跡」
【ラファ(パレスチナ自治区)AFP=時事】パレスチナ自治区ガザ地区で、イスラエル軍による空爆で瀕死(ひんし)になった母親から帝王切開によって女児が無事に誕生した。母親はその後死亡し、父親と姉も空爆で死亡したため、女児は孤児となった。≪写真は、パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファのクウェート病院で、イスラエル軍の空爆で瀕死になった母親から帝王切開で生まれた女児を診るパレスチナ人医師≫
ガザ南部ラファ東方で週末、妊娠7か月だったサブリーン・サカニさんはイスラエル軍の空爆で頭と腹に致命傷を負い、重体で救急搬送された。目撃者がAFPに語ったところによると、サカニさんの自宅が空爆を受けたという。ガザの保健当局は、この空爆で少なくとも19人が死亡したとしている。
ラファにあるクウェート病院の院長で外科医のサヒブ・シャムス氏は、サカニさんについて、「呼吸困難に陥っていたにもかかわらず、生きていたのは奇跡だ」とAFPに説明した。
医療チームは、診察中にサカニさんが妊娠していることに気付き、麻酔薬が不足していたものの、直ちに帝王切開に踏み切った。
シャムス氏によると、サカニさんは手術の「10分後に死亡した」。サカニさんの夫ともう一人の娘も、病院到着時に死亡が確認された。
複数の地元メディアによると、早産で生まれた女児の体重は2000グラム未満だという。
その後女児は、クウェートがガザでの死傷者の増加に対応するため昨年12月にラファに開設した同院の小児科に移された。病院側によると、23日午前の時点で容体は安定している。
女児は孤児となったが、父方のおじ、ラミ・シェイクさんが退院後に引き取る意向を示している。
シェイクさんは「母親のおなかから助け出されためいの様子を見に、毎日病院に行っている」とAFPに語った。
女児の父親がアラビア語で「魂」を意味する「ルー」と名付けたがっていたため、「サブリーン・ルー」と命名したという。【翻訳編集AFPBBNews】
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