ベネチア旧市街入場料、試験徴収開始へ イタリア
【ローマAFP=時事】世界有数の観光地イタリア・ベネチア市は25日から、旧市街への入場料の徴収を試験的に開始する。同市ではオーバーツーリズム問題が指摘されており、繁忙期の観光客数を抑制する狙いがある。≪写真は、イタリア・ベネチア旧市街への入場料が必要な日を示したカレンダー。同市サンタルチア駅前で≫
対象は午前8時30分から午後4時の間に旧市街を訪れる日帰り観光客で、料金は5ユーロ(約800円)。チケットはQRコードの形で発行され、当面は1日当たりの販売数に上限を設定しない。
監視員がサンタルチア駅など旧市街の主要な玄関口でチケットの有無を抜き打ち検査し、持っていない場合はその場で購入を勧められる。ホテルに宿泊している観光客、14歳未満の子ども、身体障害者などは免除される。
今年のチケット発行は5月から7月にかけてほぼ毎週実施するが、観光客の多い週末に限られるため、影響があるのは29日間のみとなる。
ベネチアのルイージ・ブルニャーロ市長は今月、旧市街への入場料について「実験かつ世界初の試み」で、「ベネチアをより住みやすい街にすること」が目的だと述べた。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている「水の都」ベネチアの旧市街では、5万人の人口に対し、2022年には延べ320万人が宿泊した。
ユネスコでは昨年、過剰な観光客数と気候変動による水位上昇を理由にベネチアを「危機遺産」に指定する案が取り沙汰されたが、自治体側が入場料導入に合意したため、その不名誉は免れた。【翻訳編集AFPBBNews】
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