24年度、7割がベア実施=賃上げ、中堅・中小に広がり―財務省調査
財務省が22日発表した企業の賃上げ動向調査によると、2024年度に基本給を底上げするベースアップ(ベア)を実施すると答えた企業は70.7%と前年度比6.3ポイント上昇した。規模別では、中堅・中小が8.8ポイント上昇の63.1%と、大企業の伸び(3.2ポイント)を上回った。同省は「賃上げの流れは中堅・中小にも広がっている」と分析する。
ベアの引き上げ率を3%以上と答えた企業は59.8%と23.4ポイント上昇。ベアと定期昇給を合わせた引き上げ率を5%以上と回答したのは36.5%と前年度のほぼ2倍に伸びた。賃上げの理由では「社員のモチベーション向上、待遇改善、離職防止」が最も多く、「物価上昇への対応」「新規人材の確保」が続いた。
一方、人件費を価格に転嫁できていない中堅・中小企業は50.2%に上った。取引先の理解が得られないことなどで、苦境を強いられている。
賃上げしたものの、4割程度は引き続き人材確保に頭を悩ませているという。企業からは「人口減少や低賃金が常態化」(宿泊業)、「労働時間規制により、働きたくても働けない。制度にも一定の柔軟性が必要」(生産用機械)などの声が上がった。
調査は11地域の財務局などを通じて3~4月に実施。約1100社から回答を得た。
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