さえた判断、生きた準備=10人でも慌てず―サッカー五輪予選
やはりアジアの戦いは一筋縄ではいかない。鋭い出足でボールを支配し、松木が先制ゴールを奪ったのが前半8分。理想的な展開に、10分もしない間に狂いが生じる。DFの西尾が相手選手に肘打ち。退場処分を受けた。
10人になり、ボール保持者に圧力をかけられなくなった。選手交代で最終ラインに木村を投入するまでの時間、ピッチ内の判断で対人に強い中盤の松木が左サイドバックに。相手の右ウイングに長身の選手がいたためだ。大岩監督は「指示を待つのではなく、自分たちで。ものすごく評価していいと思う」。
試合前日の準備も生きた。1人少なくなった状況を考え、特にセットプレーで優先的に守る場所を念入りに確認していた。ポルトガルでプレーするGK小久保は「海外のチームならそういう想定はしない。日本の良さであり、細かさ」と笑う。その守護神が後半早々、相手との1対1で好セーブ。最大のピンチを防いだ後は、押し込まれているようで危なげなかった。
苦しい試合を終えた松木は「焦りはなかった」とさらりと言った。慌てず、臨機応変に。初戦から日本の強さが見えた。(ドーハ時事)
[時事通信社]
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