中国政府、消費拡大訴え=不動産不況で内需てこ入れ加速
中国政府が国民に消費拡大を呼び掛けている。春には自動車や家電の買い替え促進を柱とする大規模な内需刺激策も公表。不動産不況が長期化し、景気が冷え込む中、企業や家計に支出拡大を促し、経済回復につなげたい考えだ。
「消費の新たな活力を刺激すべきだ」。全国人民代表大会(全人代)常務委員会の彭清華副委員長は13日、南部の海南島で始まった第4回中国国際消費品博覧会の開幕式に出席し、力説した。
中国政府は2024年を「消費促進の年」と位置付けており、消費博はそのメインイベントとなる。ファッションショーや自動車の買い替えをアピールするイベントが海口市を中心に島内各地で開催され、多くの人でにぎわった。
もっとも、会場を訪れた日系食品メーカー関係者は「日々の売れ行きは良くない」と厳しい表情だ。国家統計局が16日公表した3月の小売売上高は前年同月比3.1%増と、市場予想を下回った。飲食などが好調だった一方、自動車は3.7%のマイナスを記録。高額な宝飾品も3.2%増にとどまった。この幹部は「今回は比較的手ごろな値段で購入できる商品を並べた」と打ち明けた。
海口から高速鉄道で1時間半ほどの距離にある海南島南部のリゾート地、三亜市の巨大免税店を訪れると、週末にもかかわらず買い物客はまばらだった。小売業界の関係者は「中間層が以前よりも支出を絞っているようだ」と話す。
三亜市のタクシー運転手によると、1カ月の収入は3000元(約6万4000円)程度。以前は東北地方で不動産販売に携わっていたが、リストラされた。「日々の生活はかなり厳しい」という。 (海口、三亜=中国海南島=時事)
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