「熱心だった」「ライバルで友」=理事長ら曙さんの死悼む
外国出身力士で初めて横綱となり、活躍した曙太郎さんが54歳の若さで死去した。貴乃花、若乃花の両横綱と平成の大相撲ブームをけん引した立役者。11日に届いた訃報を受け、角界関係者からは悼む声が相次いだ。
曙さんの若手の頃を知る日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「よく稽古をしていた。熱心だったし、強かった。何度も転がされても、もう一丁、と自ら言ってやっていた」と振り返る。外国出身の力士はまだ多くなかった時代。未経験ながらも真摯(しんし)に相撲と向き合ったからこそ、異文化の中でも横綱に昇進できた。
八角理事長は北勝海として番付の頂点を極め、1992年に現役を引退した。大乃国、旭富士も土俵を去ったばかりの相撲界。番付から横綱が不在となった異常事態を解消したのが、同じ高砂一門の曙さんだった。
元横綱3代目若乃花の花田虎上さんは、88年春場所で共に初土俵を踏んだ。「年を取ったら、ハワイの木の下で同期生みんなで会おうと話していた。その約束が果たせず、ただただ寂しい」と悲痛な思いをブログにつづった。
曙さんは花田さんにとって「ライバルであり、友であり、苦楽を共にした仲間」。その巨体に、高い技巧を生かして立ち向かい、本場所の土俵を何度も沸かせた。
弟弟子に当たる東関親方(元小結高見盛)は「残念だし、悲しい」と言葉を絞り出した。東関部屋に入門したのは、曙さんが引退する2年ほど前。「自分は小心者で臆病者だったが、いろいろなアドバイスで少しずつ自信をつけてくれた」。横綱としての威厳だけでなく、あふれる優しさも胸に刻まれている。
[時事通信社]
最新動画
最新ニュース
-
青酸ソーダ窃盗の男を再逮捕=知人殺害目的でおの持参―大阪府警
-
阪神の才木、止まらぬ勢い=投手陣支える25歳―プロ野球
-
生成AI検索、1年無料提供=ソフトバンク、米社と提携で
-
親子強盗殺人、男に死刑求刑=被告側は無罪主張―大分地裁
-
引退の岡崎、まだまだ貪欲=「代表監督でW杯優勝」―サッカー元日本代表
写真特集
-
【大相撲】大関・琴ノ若
-
【女子フィギュア】千葉百音
-
【野球】野球殿堂に入った名選手
-
【駅伝】第100回箱根駅伝
-
【女子フィギュア】吉田陽菜
-
【男子フィギュア】山本草太
-
【野球】日本シリーズ関西対決 阪神が38年ぶり日本一
-
【MLB】ドジャースの歴代日本選手