演劇通じ「パレスチナ知って」=人権派イスラエル作家が描く現実
イスラエルの刑務所に収監されたパレスチナ人政治犯を描いた演劇「占領の囚人たち」の録画上映会が、各地で相次ぎ開催されている。パレスチナ自治区ガザでイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続く中、主催者はパレスチナ問題への理解を広めようと「個人単位での上映会も歓迎する」と呼び掛けている。
「占領の囚人たち」は、イスラエルの商都テルアビブを拠点とする同国の劇作家・俳優で人権活動家でもあるエイナット・ヴァイツマン氏が、出所したパレスチナ人と共同で脚本を執筆した。刑務所内での人としての尊厳を無視した扱いや、暴力的な尋問などを再現。イスラエルがガザ封鎖や占領地ヨルダン川西岸でのユダヤ人入植活動を続ける中、政治犯として収監された数千人とも言われるパレスチナ人の現実を描写した。イスラエルでは2019年に初めて上演された。
日本では23年2月、パレスチナ人と日本人の俳優によって東京都内で初演。日本人俳優らは、事前に西岸のパレスチナ自治区とイスラエルに足を運び、劇のモデルとなった元囚人らと面会して迫真の演技につなげた。出演した鍛治直人さんは「演技ではパレスチナの人々が受けた苦しみに近づくこともできないが、観客の皆さんに少しでも伝えることができれば」と語る。
日本での公演から約7カ月後の23年10月、ハマスがイスラエルを奇襲。混迷を極めるパレスチナ情勢を受け、主催者は「パレスチナについて知り、行動するきっかけにしてほしい」との思いから、公演の録画を上映することにした。
今年2月の東京都内を皮切りに、3月は長野県、4月以降は広島県や大阪府などでも開催。都内で鑑賞した会社員の女性(26)は、SNSを通じパレスチナ問題に関心を持つようになったといい、「演劇だからこそ伝わってくる感情や暴力の苦しさがあった」と話した。
[時事通信社]
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