2024-03-29 11:42

東京女子医大を捜索、特別背任容疑=関係先も、勤務実態なく給与か―警視庁

 東京女子医大(東京都新宿区)の同窓会組織「至誠会」から、勤務実態がない職員に給与が支払われていたとして、警視庁は29日、一般社団法人法の特別背任容疑で、同大などを一斉捜索した。
 同庁は資料を押収し、大学側の関与などについて慎重に調べる。
 捜査関係者によると、家宅捜索したのは同大本部や、同大の岩本絹子理事長が院長を務める江戸川区内の産婦人科など関係先数カ所だという。
 同大を巡っては、岩本理事長が理事会の決裁を受けずにコンサルティング会社と業務委託契約を結び、大学側に損害を与えたなどとして、一部の卒業生らが昨年3月、背任容疑で同庁に刑事告発していた。
 告発状では、同大から至誠会が運営する都内の病院に出向中の職員の給与が、大学側から病院に支出された額より少なかったなどとも指摘。「大学から明らかに余剰な資金が流出している」と訴えていた。 
 ホームページによると、至誠会は同大卒業生を会員とした同窓会組織で、昨年6月末時点で正会員数は約4500人に上る。
 岩本理事長は2019年4月、医療事故などが相次いだ大学の経営再建を担う形で理事長に就任。23年4月まで至誠会の会長も務めていた。
[時事通信社]

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