初のガザ停戦決議を採択=米棄権し黙認、イスラエル反発―国連安保理
【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は25日、パレスチナ自治区ガザで続く戦闘を巡り、イスラム教のラマダン(断食月)期間中の即時停戦を求める決議を採択した。昨年10月にイスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲して以来、安保理がガザでの停戦要求決議を採択するのは初めて。
全15理事国のうち、日英仏中ロなど14カ国が賛成した。イスラエルの後ろ盾である米国は「ハマス非難が含まれていない」として棄権に回った。米国はこれまで、外交交渉に支障が出るとして停戦の文言を含む決議案に反対してきたが、今回は拒否権行使を見送り、採択を事実上認めた。
一方、イスラエルは米国が拒否権を行使しなかったことに反発。予定していた米国への高官派遣を取りやめると発表した。
決議は「長期的で持続的な停戦につながるラマダン期間中の即時停戦」と「人質全員の即時かつ無条件の解放」を要求。「民間人に対する全ての攻撃に遺憾の意」を表した上で、人道支援拡大も訴えた。グテレス国連事務総長は採択を歓迎する声明を出し「失敗は許されない」と主張。決議の確実な履行を呼び掛けた。
パレスチナのマンスール国連大使は採択後、報道陣に対し、決議採択は「重要な一歩だ」と強調。イスラエルによるガザ最南部ラファへの侵攻を防ぐため、新たな決議案提出を目指すと明らかにした。
[時事通信社]
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