2024-03-09 11:42経済

衛星ロケット打ち上げ延期=「カイロス」、原因調査中―スペースワン

スペースポート紀伊
スペースポート紀伊

 宇宙事業会社スペースワン(東京)は9日、同日午前に自社の発射場「スペースポート紀伊」(和歌山県串本町)で予定していた小型ロケット「カイロス」初号機の打ち上げを延期した。原因は調査中、延期日時も未定としている。
 人工衛星を搭載した民間単独開発のロケット打ち上げは、成功すれば国内初だった。同社は小型衛星をロケットで宇宙に運ぶサービスの展開を目指しており、再び仕切り直しを迫られる。
 カイロスは全長約18メートル、重さ約23トンで、3段式の固体燃料と液体燃料エンジンなどで構成。先端部に内閣衛星情報センターの小型衛星を搭載していた。 
 スペースワンは、キヤノン電子やIHIエアロスペース(東京)などの共同出資で2018年に設立。20年代半ばまでに年間20機の打ち上げ目標を掲げている。
 当初は21年度中の初号機打ち上げを予定していたが、新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵攻などの影響で部品調達が遅れ、これまで4回延期を繰り返していた。
 民間単独開発ロケットとしては19年5月、実業家の堀江貴文氏らが創業したインターステラテクノロジズ(北海道)が観測ロケットの打ち上げに成功。初めて高度100キロ以上の宇宙空間に到達したが、衛星は搭載していなかった。

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