2024-03-07 10:13社会

「ながら運転」死亡重傷事故が最多=リスク3.8倍、厳罰化効果薄れ―昨年の交通事故統計・警察庁

2023年の携帯電話使用有無の死亡事故率比較
2023年の携帯電話使用有無の死亡事故率比較

 昨年1年間にスマートフォンや携帯電話を使いながら運転する「ながら運転」が要因で発生した自動車の死亡重傷事故件数が、前年比34件増の122件に上り、統計が残る2007年以降で最多となったことが7日、警察庁のまとめで分かった。
 自動車の運転中に携帯電話を使用すると、使用しない場合に比べて死亡事故につながるリスクは約3.8倍に上がり、同庁は注意を呼び掛けている。
 ながら運転を巡っては、19年に罰則が強化され、反則金も普通車で3倍になった。同年に105件あった死亡重傷事故は、翌年に66件に下がったが、21年から増加している。同庁は厳罰化の効果が薄れているとみている。
 昨年起きた122件の内訳は死亡25件、重傷97件。使用状況は通話が約1割、表示画像の注視が約9割だった。 
 この他、自動車やバイクで75歳以上の運転者が起こした死亡事故は前年比5件増の384件だった。原因はハンドル操作の誤りやブレーキとアクセルの踏み間違いなど「操作不適」が最も多かった。死者は392人で、内訳は事故の相手方が4~94歳の123人。運転者自身232人で、同乗者37人だった。
 自転車関連の死亡重傷事故は、354件増の7461件。対歩行者の比率が18年以降増加傾向にある。歩道上の自転車と歩行者の死亡重傷事故141件を分析したところ、自転車側は25歳未満が49.6%、歩行者側は65歳以上が54.6%を占めた。警察庁は、若者が自転車でスピードを出し、高齢者が犠牲になっていると指摘する。朝夕の通勤通学時間帯の発生が最も多かった。

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