収蔵庫から新種ゴミムシ 奈良県橿原市
奈良県橿原市は、同市昆虫館の収蔵庫で保管されていた標本に新種のゴミムシが紛れていたと発表した。昆虫館は開館35年を迎え、約10万点の標本を保管しているが、新種が見つかるのは初めて。
昆虫館によると、千葉大学の笹川幸治准教授に研究のため標本を貸し出したところ、雄の交尾器の構造が既存の種とは異なることが判明。採集された三重県鈴鹿山脈の地名にちなみ、「スズカヒメマルクビゴミムシ」と命名した。
新たに見つかったのはヒメマルクビゴミムシの仲間で、本州や四国の山地に生息する。羽が退化して飛べないことから分散力が低く、各地域で独立した個体群を形成するのが特徴という。
昆虫館の池田大学芸員は「素直にうれしい。同じ種の標本であっても、収集と保管を続けていく大切さを改めて認識させられた」と話した。
標本は資料保護のため、2月23~25日の3日間のみ展示された。【もぎたて便】
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