元交際相手に懲役17年=相模原女性遺体の差し戻し審―東京地裁
相模原市で2015年、阿部由香利さん=当時(25)=の遺体が見つかった事件で、殺人罪に問われた元交際相手佐藤一麿被告(38)の差し戻し裁判員裁判の判決が27日、東京地裁であった。野村賢裁判長は「身勝手な動機による計画的な殺人だ」と非難し、求刑通り懲役17年を言い渡した。
野村裁判長は判決で、佐藤被告が阿部さんの死亡と同時期に遺体の保管、遺棄の準備をしていたとし、「死亡に積極的に関与したからこそ準備したと考えるのが自然だ」と述べた。
動機については、他に交際していた女=死体遺棄罪で有罪確定=との関係を進展させようとして、阿部さんが邪魔になったと指摘。佐藤被告が08~09年、川崎市内の畑に阿部さんの長男の遺体を埋めたと認定した上で、阿部さんが遺棄について第三者に口外することを恐れたとした。
佐藤被告は阿部さんの遺体を埋めた死体遺棄罪で有罪が確定後、殺人容疑で逮捕、起訴された。差し戻し前の一審判決は、阿部さんを窒息死させたと認め、懲役17年を言い渡したが、東京高裁が睡眠改善薬による中毒死の可能性が否定できないとして破棄、審理を差し戻していた。
判決によると、佐藤被告は13年6月10日ごろ、阿部さんが住んでいた東京都新宿区のマンション居室で、阿部さんに睡眠改善薬を大量に飲ませて首を圧迫し、中毒死または窒息死させた。
[時事通信社]
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