木原防衛相が沖縄入り、修復図る=南西強化狙い、地元は不信感
木原稔防衛相が昨年9月の就任後、初めて沖縄本島を訪問した。玉城デニー知事と17日に県庁で会談。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設では対立しているが、南西地域の防衛体制強化をにらみ関係修復を図る。円滑な整備には地元の理解が必要なためだが、県側の不信感は根深い。
中国軍は近年、九州・沖縄からフィリピンに至る「第1列島線」を越え、太平洋へ活動領域を広げる。台湾統一を視野に入れた動きともされ、今月も沖縄本島と宮古島間を航行する情報収集艦やミサイル駆逐艦、フリゲート艦が確認された。
防衛省は抑止力向上へ、2026年度をめどに沖縄を守る陸上自衛隊第15旅団(那覇駐屯地)を師団に格上げする。これに伴い、うるま市に新たな訓練場を設ける方針だが、住宅地が近いことから住民の反対論は強い。射撃訓練やヘリコプター運用を抑制することで理解を求めているものの溝は埋まっていない。
3月にはうるま市に地対艦ミサイル、与那国町に電子戦の各部隊を置く。石垣市への訓練場新設や、沖縄市への火薬庫や燃料庫などの補給拠点整備、宮古島市への電子戦部隊、与那国町への中距離地対空ミサイル部隊の配備も計画する。
迅速な部隊展開のための空港や港湾の拡張を巡る政府と地元の協議も今後本格化する。防衛省幹部は「辺野古移設は立場が違うが、地元の協力を得ないといけない分野は多い」と指摘。自衛隊幹部も「訓練の機会も増えた。対立はできるだけ避けてほしい」と語る。
県側には沖縄の軍事機能強化が「なし崩し」に進んでいると映る。木原氏は会談で、抑止力に加え「大規模な災害や国民保護における対応の迅速化にもつながる」と訴えたが、玉城氏は「県民の不安を高めることは事実だ」と指摘。うるま市の訓練場計画について、「つい3日前に沖縄防衛局から県に説明があったばかりだ」と不満も伝えた。
辺野古移設でも、防衛省は県の中止要請を一顧だにせず工事を進めている。県幹部は、当初は沿岸監視目的で始まった与那国町での体制強化を例に「日米共同演習にミサイルにと、どんどん進む。住民を守る立場で強く疑義を唱えないといけない」と警戒。関係改善は見通せていない。
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