GX移行債、初入札=年利0.74%、通常国債より低く
財務省は14日、省エネなど脱炭素に向けた投資の財源に充てる新たな国債「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」の初入札を実施した。今回は、償還までの期間が10年のタイプで、落札利回りは年0.74%。環境意識の高まりから「プレミアム」が付き、通常の国債よりも利回りが低く(価格は高く)なる「グリーニアム」と呼ばれる現象が起きた。
GX移行債が国債として発行されるのは世界初。初回発行額7995億円の3倍近い2兆3212億円の応募が集まった。大和証券の尾谷俊シニアストラテジストによると、償還日が同じ10年債の利回りと比べ、0.01%のプレミアムが付いた。27日には5年債の初入札が行われる。
政府は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標の達成に向け、10年間で官民合わせて150兆円規模のGX投資を目指す。このうち、約20兆円をGX移行債の発行で調達し、民間投資の「呼び水」としたい考えだ。
23年度はGX債を計1兆6000億円程度発行する計画。調達資金のうち、3316億円は電気自動車向け蓄電池の供給網支援に充て、ホンダやGSユアサなどの生産を支援する。このほか、日本製鉄などが取り組む水素を使う製鉄技術の開発にも2564億円を助成する。
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