キリストのポスター、「女々しい」と超保守派のやり玉に スペイン
【マドリードAFP=時事】スペインで、イエス・キリストを描いたイースター(復活祭)週間のポスターが、国内の超保守派から「女々しい」「ローマカトリック教徒に不快感を与える」として激しい反発を買っている。≪写真は、スペインのアーティスト、サルスティアーノ・ガルシア氏と、同氏がセビリア市のイースター〈復活祭〉週間向けに制作した、イエス・キリストを描いた公式ポスター≫
南部アンダルシア州セビリアのアーティスト、サルスティアーノ・ガルシアさんがデザインしたこのポスターは、死から復活したキリストを描いたもの。血のように真っ赤な背景の前に半裸のキリストが立ち、下半身は白い布で覆われている。
セビリアのイースター週間主催者団体は「聖週間の輝かしい一面」を「一流画家の最も純粋なスタイル」で表現したと説明している。
だがSNSでは「性的」なポスターだとして多くの人が非難。超保守派のカトリック団体IPSEは、キリストを「女々しく」描き、聖週間の精神にそぐわないとして、アーティストに公開謝罪を要求した。
また極右政党ボックスのハビエル・ナバロ氏もX(旧ツイッター)で「挑発的」なポスターだと述べ、非難の大合唱に加わった。
だが、作者のガルシア氏は右派系紙ABCに、自分の息子のイメージに基づき「畏敬の念」を込めて描いた「優しくエレガントで美しい」キリスト像だと語った。
またスペイン与党・社会労働党の州トップ、フアン・エスパダス氏は即座にポスターを擁護。この作品によって引き起こされた「同性愛嫌悪や憎悪」を非難した。
イースターの前の聖週間はカトリック色の濃いスペインで非常に重要で、特にセビリアはその祝祭の中心地として知られている。
一方、スペインはフランシスコ・フランコ独裁体制が終わった3年後の1978年に同性愛を非犯罪化し、2005年からは同性婚や同性カップルの養子縁組を認めるなど、LGBTなど性的少数者の権利に関して世界で最もオープンな国の一つだ。【翻訳編集AFPBBNews】
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