自民、裏金事件で聴取開始=野党要求の全議員調査へ
自民党は2日、派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件の実態解明に向け、政治資金収支報告書の不記載が判明した国会議員らへの事情聴取を始めた。関係者が立件された安倍、二階両派を中心に約90人が対象。野党の要求に応じ、党所属の全議員にアンケート調査を行う方針も決めた。結果を踏まえ、党則に基づく処分を検討する。
岸田文雄首相(自民党総裁)は首相官邸で記者団に「聞き取りがスタートした。できるだけ速やかに作業を進め、進捗(しんちょく)を受けて党としても説明責任を果たしたい」と表明。同時に「全議員対象のアンケートを実施する。準備している」と説明した。
調査チームは、森山裕総務会長をトップに、渡海紀三朗政調会長、小渕優子選対委員長、梶山弘志幹事長代行、松山政司参院幹事長、福岡資麿参院政審会長の計6人で構成する。2人1組で弁護士も交え、派閥からのキックバック(還流)の金額や使途、不記載の経緯を1週間ほどかけて対面で確認。結果は茂木敏充幹事長に報告する。
自民は当初、聴取対象を安倍派幹部に限る方向で調整していたが、野党の要求も踏まえ、不記載があった安倍、二階両派の議員に拡大した。議員の不記載が確認されていない岸田派に関しては、根本匠事務総長から聴取する方針だ。
アンケートは5日にも全議員に配布。不記載の有無や金額を尋ね、来週中をめどに回答を求める。
自民は週末も聴取を続け、不記載の判明した議員の暫定リストを5日に野党へ提示する方針。ただ、野党は内容が不十分な場合、審議拒否も辞さない構えを崩していない。同日に衆院予算委員会で予定される2024年度予算案の実質審議入りがずれ込む可能性もある。
[時事通信社]
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