3段の段丘、大地震で形成か=能登半島北部、6000年前以降―産総研調査、年代特定へ
能登半島北部沿岸には大規模な海岸段丘が3段あり、過去の大地震による隆起で形成された可能性があることが、産業技術総合研究所の調査で明らかになっている。今回の能登半島地震(マグニチュード=M7.6)では北西部(輪島市西部)沿岸で約4メートル隆起した所があり、産総研は「4段目が形成された」との見方を示した。
一番上にある最も古い段丘が形成された時期については、昔の海面の高さをどう評価するかによって約6000年前か、約3500年前という二つの見方がある。どちらを取るかで大地震の発生間隔が変わってくるため、産総研は段丘ごとに年代の測定を進めている。
産総研が2020年に日本活断層学会誌「活断層研究」に発表した調査結果によると、各段丘の高さ(標高)は一部で異なる地点があるが、半島北中部(輪島市東部)では一番上(L1)が6メートル、2番目(L2)が4.9メートル、3番目(L3)が3.5メートル。
半島北部沿岸の海底では活断層が断続的に見つかっており、これらの活断層か付近の断層が今回や過去の大地震の震源とみられる。地下の断層面は南東方向へ傾斜しているため、半島北部が隆起する形でずれ動く。
国土地理院の衛星観測データ解析によると、今回の大地震で半島北部沿岸が隆起した結果、海岸線が海側へ移り陸地が拡大した。半島北東部(珠洲市)は最大約2メートル、北西部(輪島市西部)は同約4メートル隆起。産総研などが海岸で行った調査でも確認された。
産総研地質調査総合センターの宍倉正展グループ長は「段丘ごとに年代調査を進め、北東部から北西部までほぼ一致していれば、それぞれ今回と同様の大地震で形成されたと証明できる」と話している。
房総半島南部では、相模トラフ沿いで起きた関東大震災の地震(M7.9)などによって隆起した段丘があることが知られている。
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