2024-01-09 21:09訃報

八代亜紀さん死去、73歳=演歌歌手「雨の慕情」「舟唄」

歌手の八代亜紀さん
歌手の八代亜紀さん

「雨の慕情」「舟唄(ふなうた)」などのヒット曲で知られる演歌歌手の八代亜紀(やしろ・あき)さんが昨年12月30日、急速進行性間質性肺炎のため死去した。73歳だった。熊本県八代市出身。所属事務所が9日発表した。葬儀は8日に関係者で済ませ、後日、お別れの会を開く予定。
 事務所によると、昨年9月に膠原(こうげん)病の一種の指定難病などを患っていることが分かり療養を続けていたが、容体が急変したという。
 歌手を志し、中学卒業後に上京。銀座でクラブ歌手として活動中にスカウトされ、1971年「愛は死んでも」でデビュー。73年の「なみだ恋」をはじめ、「愛の終着駅」「おんな港町」「舟唄」などを次々とヒットさせた。80年には「雨の慕情」で日本レコード大賞を受賞。NHK紅白歌合戦に23回出場するなど、ハスキーであでやかな歌声を持ち味に、長年聴き手を魅了し続けた。
 「演歌の女王」とうたわれたが、ジャズやブルースからアニメソングまで幅広いジャンルの楽曲を歌唱。ニューヨークで著名なジャズシンガーと共演するなど海外でも評価を高め、22年にはフランス公演を行った。卓越した歌唱技術で、文化庁長官表彰や松尾芸能賞の大賞を受賞した。
 一方で画才も発揮。長い伝統を誇るフランスの公募絵画展「ル・サロン」で5年連続入選を果たすなど活躍した。俳優として映画やテレビドラマにも出演した。

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