監視システムが誤進入検知か=管制官、見落としの可能性―羽田衝突事故・国交省
羽田空港(東京都大田区)で発生した日本航空と海上保安庁の航空機の衝突炎上事故で、国土交通省は5日、滑走路への誤進入をモニター上で管制官に注意喚起するシステムが、事故当時も正常に作動していたと明らかにした。管制指示と異なる海保機の進入も検知していたとみられ、運輸安全委員会などは詳細を調べる。
同省によると、システムは「滑走路占有監視支援機能」。着陸機の接近中に別の航空機が滑走路に進入すると、付近の航空機の位置を示すモニター上で、滑走路が黄色く、誤進入した機体が赤く表示される。警告音は鳴らない。
羽田空港では2011年3月までに、4本の滑走路すべてで運用を開始。注意喚起が表示され、安全が確保できないと判断した場合、管制官は着陸のやり直しを指示したり、出発機に滑走路から出るよう命じたりする。
海保機は管制官から滑走路手前まで走行するよう指示を受けた後、滑走路に進入し約40秒間停止していたとみられる。この間、システム障害は確認されなかったといい、管制官がモニターに表示された注意喚起を見落とした可能性がある。
国交省の担当者は「(事故当時に)管制官がシステムの画面を見ていたかは調査中」としつつ、「画面を常時凝視するものではない」と話した。
同省は羽田空港の管制について、6日からモニターを常時監視する担当者を置くことを決めた。他の空港での対応は今後検討する。
[時事通信社]
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