2024-01-03 22:29社会

「停止位置に向かう」最後に=海保機などの交信内容―JAL機炎上

 「滑走路停止位置に向かう。ありがとう」。羽田空港で日本航空機と衝突し、5人が死亡した海上保安庁の航空機の搭乗員は、管制官にそう伝えたが、事故は滑走路上で起きた。
 国土交通省が3日公表したのは、管制官と日航機や海保機を含む計5機とのやりとり。4分25秒間にわたり、英語で交わされた会話を時系列に沿って明らかにした。
 日航機の操縦士が2日午後5時43分、管制官に便名を伝えると、即座に応答があった。「こんばんは。滑走路34Rに進入を継続してください」。34Rは羽田空港の南北方向に並ぶ2本の滑走路の海側を指す。管制官は着陸に備え、日航機に風向と風速も伝えた。
 管制官は離陸に向けて誘導路を走行していた米デルタ航空への指示を行った後、再び日航機を呼び出し、「着陸支障なし」と連絡した。原文は「Cleared to land」で着陸許可とされる。
 日航機に着陸許可が出されて間もなく、海保機の搭乗員は「C誘導路上です」と管制官に呼び掛けた。管制官は「C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」とし、出発の順番が1番目であることも連絡。海保機は同じ内容を復唱した。
 その後、管制官は別の日航機とやりとりを続けており、海保機との交信記録は残っていない。海保機は停止位置にとどまることなく、日航機が着陸態勢に入っていた滑走路に進入したとみられる。 
[時事通信社]

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