「政策活動費」公明に見直し論=自民慎重、政治改革の焦点に
自民党派閥の政治資金規正法違反事件を受け、使途を明らかにする必要のない「政策活動費」の見直し論が公明党内で浮上した。「政治とカネ」の問題に世論の厳しい視線が向けられているためだ。ただ、自民は見直しに慎重で、年明けに本格化する政治改革論議の焦点となりそうだ。
公明党は27日、政治改革本部(本部長・石井啓一幹事長)の役員会を国会内で開催。関係者によると、出席者からは「政策活動費の透明性を高めるべきだ」との声が上がった。
11月公表の政治資金収支報告書によると、自民は2022年、「政策活動費」として約14億2000万円を麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長ら党幹部15人に支出。ただ、具体的な使途は明らかになっていない。
政策活動費が注目を集めているのは、安倍派からパーティー収入の還流を受けた疑いのある池田佳隆衆院議員側が「政策活動費と認識して(報告書に)記載しなかった」と主張したためだ。実際には還流分と政策活動費は無関係とされるが、有識者は「政策活動費が裏金づくりへの抵抗感を議員から奪っている」と指摘する。
公明党は「クリーンな政治」を掲げ、来年1月召集の通常国会を「政治改革国会」と位置付ける。同党は政策活動費を支出しておらず、改革の目玉に政策活動費見直しを据えるべきだとの意見が出ている。
共産党も政策活動費の支出はなく、小池晃書記局長は27日の集会で、政策活動費の廃止を主張。党所属議員個人に寄付する慣行のある他の野党からも「政策活動費の透明性を高めないといけない」(立憲民主党の長妻昭政調会長)との声が上がっている。
これに対し、自民党は政策活動費について「党に代わって党勢拡大や政策立案、調査研究を行うため、党役職者の職責に応じて支出されている。適正に処理されている」(茂木幹事長)として、見直しには慎重だ。通常国会では、与野党の論戦が激しさを増しそうだ。
[時事通信社]
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