2023-12-22 18:17政治

防衛費、過去最大7.9兆円=イージス搭載艦を建造―来年度予算

防衛費の推移
防衛費の推移

 2024年度の防衛予算案は23年度当初比16.5%増で過去最大の7兆9496億円となった。岸田政権が進める「防衛力の抜本的強化」の2年目に当たり、10年連続で過去最大を更新。中国や北朝鮮の軍備強化をにらみ、ミサイル防衛に1兆2477億円、反撃能力を含む長射程ミサイル整備に7340億円を計上した。
 防衛力整備計画は23~27年度の防衛費を約43兆円と定め、この5年間に見込む契約総額は43兆5000億円。このうち24年度は過去最大の9兆3625億円となった。
 ミサイル防衛では「イージス・システム搭載艦」2隻の建造費に3731億円を充て、27、28年度の就役を目指す。マッハ5以上の極超音速兵器対処で日米が共同開発する新型迎撃ミサイル「GPI」経費は757億円。
 射程1000キロ超の「12式地対艦誘導弾能力向上型」の開発・取得に1753億円を盛った。配備時期を26年度から25年度に前倒しすることを決めており、開発を加速させる。米国製巡航ミサイル「トマホーク」の納入も1年早める予定で、搭載するイージス艦の改修費2億円を積んだ。 
 陸海空3自衛隊の一元的な運用強化へ「統合作戦司令部」を創設する。240人規模で防衛省内に置き、司令官は陸海空幕僚長と同格とする。英国、イタリアとの次期戦闘機計画では、開発機関への拠出金42億円や、連携して運用する無人機開発に向けた日米共同研究費48億円を確保した。
 円安や物価高を踏まえ、価格低減にも取り組んだ。長期契約や製造工程の見直しにより、全体で2764億円縮減したとしている。概算要求段階で3301億円だった陸自と空自のCH47輸送ヘリ17機の取得費用は、退役する装備品の部品転用などで213億円減とした。
 
 ◇防衛予算案の主な事業
【ミサイル防衛】
イージス・システム搭載艦建造   3731億円
新型迎撃ミサイル日米共同開発    757億円
【長射程ミサイル】
12式地対艦誘導弾能力向上型開発 1753億円
イージス艦のトマホーク用改修      2億円
新地対艦・地対地精密誘導弾開発   323億円
【次期戦闘機】
連携無人機の日米共同研究       48億円
開発機関拠出金            42億円
次期中距離空対空誘導弾開発     184億円
【組織編成】
統合作戦司令部創設
自衛隊海上輸送群創設
海自大湊地方隊を大湊地区隊に改編
空自新田原基地に臨時F35B飛行隊新設
防衛イノベーション技術研究所創設

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