議員報酬、全額返還命じる=当選無効の元大阪市議―「活動は無価値」初判断・最高裁
大阪市議選に当選後、公選法違反罪で有罪が確定し当選無効となった元市議に対し、市が議員報酬などの返還を求めた訴訟の上告審判決が12日、最高裁第3小法廷であり、林道晴裁判長は返還を一部のみ認めた一、二審判決を変更し、全額に当たる約1400万円の返還を命じた。
小法廷は、当選無効となった議員の報酬について「自ら民主主義の根幹を成す選挙の公明、適正を害しており、議員活動をしていても価値を持たない」との初判断を示した。
公選法は国会議員を含む議員に関し、自身の選挙を巡る公選法違反で有罪が確定した場合に当選無効になると規定。判決は国会議員の同種事案にも影響しそうだ。
判決などによると、不破忠幸元市議(58)は2019年4月の市議選に当選したが、同5月、ウグイス嬢の手配に報酬を支払った公選法違反(買収)容疑で逮捕。20年2月に同法違反罪で有罪が確定し、当選無効となった。
市は議員報酬と期末手当など計約1400万円の返還を求めて提訴した。
小法廷は、議員報酬と期末手当について、当選無効の議員が有罪確定までに行った活動は、市にとって価値を持たないと指摘した。
今崎幸彦裁判官(裁判官出身)は「資格を欠いていても議員として活動したことは事実で、相応の評価をすべきだ」と反対意見を付けた。
一審大阪地裁と二審大阪高裁は、不破氏が逮捕で身柄拘束されていた期間を除き議員活動をしていたとして、拘束期間の議員報酬など約160万円を返還するよう命じた。
横山英幸大阪市長の話 主張が認められ、納得している。
[時事通信社]
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