体調整え、精力的に活動=療養20年、還暦の皇后さま
皇后さまの60歳(還暦)の誕生日に際し、宮内庁の医師団は「工夫を重ねられ、ご体調を整えられながら努力してご活動を続けている」との見解を公表した。療養入りから20年。皇后となり、コロナ禍を経て、国内外で公務に精力的に取り組む姿が見られるようになった。
皇后さまは皇太子妃だった2003年12月、帯状疱疹(ほうしん)発症で入院し、療養生活に入った。04年5月には皇太子時代の天皇陛下が記者会見で「雅子のキャリアや人格を否定するような動きがあったことも事実」と発言し波紋を呼び、宮内庁は同年7月、病名を適応障害と発表した。
療養入り後、国内外の公務の多くは陛下が単独で務めていたが、11年の東日本大震災後には陛下と東北3県を訪問。13年にオランダ国王の即位式に参列し、19年の即位関連儀式には全て出席した。
国際親善目的では約20年ぶりの海外公務となった今年6月のインドネシア訪問。皇后さまの出席は、体調を考慮して一部の公式行事のみの予定だったが、自身の判断で大学や職業専門学校の視察に参加し、学生に「(日本とインドネシアの)懸け橋に」などと声を掛けた。
11月には海外要人との皇居での昼食会を再開。両陛下の発案で、前菜での和食の提供や、日本酒での乾杯が初めて行われた。接遇を受けたベトナム国家主席夫人は「緊張していたが、皇后さまの笑顔を見て一気にほぐれた」と述べたという。
精力的に活動する中でも、側近は「お疲れが残っていないかは常に気にしている」と話す。陛下と「令和流」を模索する旅は続く。
[時事通信社]
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