2023-12-08 08:37社会

少年の刑法犯19年ぶり増加=大麻や児童買春「留意必要」―犯罪白書

法務省=東京都千代田区
法務省=東京都千代田区

 法務省は8日、2023年版の犯罪白書を公表した。20歳未満の少年による22年の刑法犯の検挙人員は前年比2.5%増の2万912人で、19年ぶりに増加に転じた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限が緩和され、窃盗などが増えたことが影響したとみられる。
 少年の特別法犯は4639人で前年比6.1%減少。ただ、大麻取締法違反、児童買春・児童ポルノ禁止法違反は近年増加傾向にあり、白書は「特に留意が必要」と指摘した。
 白書では非行少年の生育環境に焦点を当てた調査結果も紹介。親との死別・離別や家族による暴力といった「小児期逆境体験(ACE)」を持つ者が、少年院在院者で87.6%、保護観察処分少年で58.4%に上ると指摘し、ACEの有無を踏まえた支援の充実強化が必要だと提唱した。
 成人も含めた全体の刑法犯認知件数は前年比5.8%増の60万1331件となり、20年ぶりに増加。犯罪類型別の検挙件数を見ると、児童虐待2181件(前年比0.3%増)、サイバー犯罪1万2369件(同1.3%増)、特殊詐欺6640件(同0.6%増)だった。
 法務省は再犯防止推進白書も公表。出所した受刑者が2年以内に再び刑務所に入る割合は、21年時点で14.1%となり7年連続で減少した。 
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集