APEC、気候変動や供給網議論=首脳会議開幕へ、宣言採択を調整
【サンフランシスコ時事】日米や中国など21カ国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が15日(日本時間16日)、開幕する。ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や、米国と中国の対立を背景とした保護主義的な動きが強まる中、気候変動やサプライチェーン(供給網)の強化といった課題で一致点を見いだせるかが焦点。首脳宣言の採択を目指し議論する。
首脳会議は17日まで。議長国のバイデン米大統領や日本の岸田文雄首相が出席。中国の習近平国家主席も出席予定だ。イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突で、人道危機が深刻化するパレスチナ情勢についても議論される可能性がある。このほか、食料・エネルギー安全保障の確保やデジタル貿易の促進に関しても意見を交わす。
首脳会議に先立ち、14日に始まった閣僚会議では、持続的な成長をテーマに議論。出席した西村康稔経済産業相は、脱炭素化に向けたクリーンエネルギーへの移行や信頼性のある自由なデータ流通、人工知能(AI)を含むデジタル化の推進に、参加国・地域の官民で協力して取り組む重要性を強調した。
ただ、米国が議長となって以降の閣僚級会合では、ウクライナ侵攻に関する表現に中ロが反発。全会一致が原則の共同声明を一度も発表できていない。首脳宣言の採択もにらみ、詰めの調整を続ける。
15日には米中首脳会談が予定され、対話の兆しも見え始めた。16日にも日中首脳会談を行う方向で調整している。
APECは人口で世界の約4割、国内総生産(GDP)の合計で約6割を占める巨大経済圏だ。
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