ソフトバンクG赤字2276億円=大幅改善も3期連続―24年3月期
ソフトバンクグループ(SBG)が13日発表した2024年3月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が2276億円の赤字となった。前期(9701億円の赤字)からは収支は大幅に改善したが、赤字は3期連続。主力の投資事業での保有株の価値低迷に加え、円安の影響で損失が生じたことが響いた。
傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を含む投資事業では、5593億円の損失を計上。韓国インターネット通販のクーパンなど一部投資先の株式価値が上昇し、損失額は前期の8350億円から大幅に縮小したが、米共用オフィス大手ウィーワークなどの価値が低下した。
また、ドル建て負債を抱える中、円安進行により為替差損7031億円を計上したことも響いた。
四半期ベースでは、24年1~3月期の純損益が黒字となり、23年10~12月期に引き続き黒字を確保した。
後藤芳光専務は東京都内で開いた決算説明会で、前期からの純損益の改善幅が約7400億円に達したと強調。その上で「順調に成長できた1年だった」と総括した。業績不振を受けて抑制していた新規投資を再開し、戦略の軸とする人工知能(AI)を活用した先端企業への投資を進めてきたと説明。「守りをしっかり固めた上でやるべき攻めができた」と振り返った。
後藤氏は今後の投資方針について「財務の工夫により、安全性を維持しながらグループで大きなチャレンジができる」と述べ、AIを中心とした事業成長に意欲を示した。
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