流れ変えた「湯浅の1球」=甲子園の熱狂味方に―プロ野球「虎の夢、結実」(下)
1勝2敗で迎えた第4戦。同点の八回2死一、三塁のピンチで、阪神の岡田監督が球審に告げた投手の名前は「湯浅」だった。
左脇腹のけがなどに苦しみ、1軍登板は6月15日以来。プロ4年目の昨季に飛躍を遂げ、最優秀中継ぎに輝いた24歳の登板に、甲子園は地鳴りのようなどよめきに包まれた。湯浅は中川圭にこん身の直球を投げ込み、1球で二飛に仕留めた。
湯浅が日本シリーズで初のベンチ入りを告げられたのは、この日の練習前。しびれる場面で大歓声に後押しされ、「力に変えて抑えることができた」と感謝した。
4カ月以上も1軍のマウンドを離れていた右腕を、なぜ勝負の分かれ目でいきなり起用したのか。岡田監督は「勝つために投げさせただけ」と説明した。ホームで後攻という有利な状況。勝ち越すチャンスはまだあると信じていた。「奇襲ではない。流れを変える必要はない。抑える投手を投げさせるだけやんか」。復活した右腕が、大舞台で本領を発揮できるという確信もあった。
球場とベンチの雰囲気が一変することも、指揮官は想定。「沸くのは当然やんか」。地の利を生かした阪神は、大山のサヨナラ打で接戦を制した。
対戦成績は五分に。悲願の日本一に向け、湯浅の1球で阪神が勢いに乗った。
[時事通信社]
最新動画
最新ニュース
-
NY株、続伸
-
「グローバルサウス」と協力=生成AIルール作り―松本総務相
-
岸田首相がパラグアイ入り
-
日本、4大会ぶりV=ウズベクに1―0―サッカー五輪予選
-
米CIA長官がエジプト入り=ガザ休戦で協議か
写真特集
-
【大相撲】大関・琴ノ若
-
【女子フィギュア】千葉百音
-
【野球】野球殿堂に入った名選手
-
【駅伝】第100回箱根駅伝
-
【女子フィギュア】吉田陽菜
-
【男子フィギュア】山本草太
-
【野球】日本シリーズ関西対決 阪神が38年ぶり日本一
-
【MLB】ドジャースの歴代日本選手