縁ある元大関に泰然と=大の里、さすがの馬力=大相撲春場所

泰然としていた。大の里は大一番を前にまげを直す間、じっと目を閉じる。集中力を高め、高安との決定戦へ。強烈な当たりから常に攻めて送り出し、「冷静に取ることができた」。持ち前の圧力を生かした完勝だった。
10日目に不覚を取り、過去2戦全敗だった相手。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の弟弟子に当たり、入門当初から稽古で胸を借りてきた。館内が異様なムードに包まれた中、「最後は気持ち」。縁のある元大関に恩返しした。
大関昇進後は賜杯争いに絡めず、師匠から「稽古の番数が足りない。もっと増やせ」と叱咤(しった)されて発奮。この日の結びでは、得意の右差しから一気の寄りで琴桜との大関対決に圧勝。下半身がどっしりとし、課題だった腰高が改善されつつある印象を受ける。
綱とりについては「気にしていない」と言うものの、昇進は豊昇龍に先を越され、「感じるものはある」とこぼしたことがある。最速記録を次々と塗り替え、昨年は注目を一身に集めた。主役の座を奪われ、苦々しい思いもあるのだろう。
ものが違うと思わせるだけの馬力を発揮し、新横綱が不在となった場所で番付の権威を保った。大関となって初めての賜杯にも「来場所が大事になってくる」と目線は既に次へと向いている。変わらず愚直に稽古に励めば、おのずと最高位が見えてくる。
[時事通信社]

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