昆虫の触角でドローン制御=匂い探索、災害救助にも―信州大

生きたカイコガの触角を使った匂いセンサーで小型ドローンを自動制御し、約5メートル離れた場所から匂いの発生源を突き止めることに成功したと、信州大などの研究チームが21日までに発表した。数キロ先の異性や餌などを嗅覚で探す昆虫の触角は、人工センサーより反応が速く、リアルタイム制御に適しているといい、将来の災害救助などへの応用が期待される。
信州大の照月大悟准教授と千葉大大学院博士課程2年の福井千海さんらは、カイコガの触角がフェロモンを検知すると出す電気信号を用いたセンサーを作成。匂いの濃度の違いなどから発生源を見つけ、その場所に向かわせるドローンの開発を進めている。2021年に初めて実験に成功したが、探索できる距離は約2メートルに限られていた。
研究チームは、昆虫の匂い探索行動を分析し、性能向上のヒントとした。カイコガは自らの羽ばたきで匂い成分を含む空気を自分の前方に集めていることに着目。空気を前方からのみ取り込むよう、センサーにカバーを付けた。
また、多くの昆虫が探索中に時々止まっていることに目を付け、一定距離を進むごとにホバリング(空中静止)し、次に進む方向を決めるようにした。こうした改良により、探索精度は21年の実験時から2倍以上向上した。
将来的には、蚊の触角を利用することで、人の匂いを検知できるといい、照月准教授は「匂いを頼りに要救助者を発見できるようにしたい」と話した。
[時事通信社]
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