香港の民主活動家

AFPTVが録画したオンラインインタビューに答える周庭氏=2023年12月4日、カナダ・トロント【AFP時事】 香港の民主化運動で最も著名な活動家の一人、周庭(アグネス・チョウ)氏(27)は、民主化デモを扇動した罪などで服役した後も、「外国の工作員」の烙印を押され、パスポート(旅券)を押収され、出国を制限されていた。 今年7月、警察は香港から出る意外な方法を提示した。謝罪状を書き、治安当局者と共に中国本土の深センを訪れ、IT大手の騰訊控股(テンセント)本社などの中国の業績を見学すれば、引き換えにカナダ留学を認めるという内容だった。周氏は8月、深セン行きを決断した。 周氏は、現在滞在しているカナダ・トロントからAFPのビデオ取材に応じ、深セン行きの決断について「とても、とても怖かった」と語った。当局が約束を守るかどうかは賭けだったという。「弁護士にも家族にも友人にも、誰にも言わないようにと警察から言われた」。深センでは何枚も写真を撮られ、中国の偉大さを見せてくれた治安当局者への感謝状を書くよう求められた。周氏は「香港のことは心から愛しているが、同時に恐怖の場所のようにも感じる」と語った。 周氏は3日、SNSで「香港の情勢や身の安全、心身の健康を考慮した」結果、香港には戻らないと決断したと明かした。香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は5日の会見で、周氏を「生涯にわたって」追跡すると警告。警察は「寛大な対応」をしようとしていたと主張した。 これに対し周氏は「過去3年間、寛大な対応など一切なかった。自由、日常生活、基本的人権、すべてを奪われていた」と反論。「(周氏が外国の工作員だという主張について)どこの国の誰の手先だというのか。中国政府が国家安全維持法(国安法)や香港の法制度を、反体制派を中傷し弾圧するための政治的道具として利用しているにすぎないのは明らかだ」と批判した。【翻訳編集AFPBBNews】

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