バイデン氏の焦り反映=初回討論会、異例の6月開催―米大統領選
【ワシントン時事】米民主党のバイデン大統領(81)と共和党のトランプ前大統領(77)が6月27日、テレビ討論会で初の直接対決に臨むことが決まった。バイデン氏の提案をトランプ氏が受け入れた。生中継される討論会は、バイデン氏最大の弱みである高齢不安を際立たせかねないもろ刃の剣。大統領選候補を正式指名する党全国大会前の開催は異例で、世論調査でトランプ氏に後れを取る現職の焦りを映す。
バイデン氏の狙いは、選挙の争点が自身への信任ではなく「過激なトランプ氏か、それ以外か」にあると早期に有権者に印象付けることだ。バイデン氏は好調な経済など政権の実績をアピールしてきたが、政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた各種世論調査の平均値では、勝敗を左右する激戦7州全てでトランプ氏が数ポイント先行。局面を変える必要に迫られていた。
民主党支持層は共和党支持層よりも期日前投票を利用する傾向が強く、この点もバイデン氏が討論会開催を急いだ理由の一つだ。バイデン氏は15日、支持者向けのメールでトランプ氏が「民主主義の脅威」であることを追及すると約束した。
一方、トランプ氏にとって、心身の衰えが指摘されるバイデン氏との対戦は自身の壮健ぶりをアピールする好機となる。早速、SNSで「バイデンは過去最低の討論相手だ。文章をまとめられない」と挑発した。
主催するCNNテレビによると、6月の討論会は候補者と司会者のみ、無観客で行われる。同局の規則では一定数の州で出馬資格を得るなどの参加条件があり、現時点で基準を満たすのはバイデン、トランプ両氏だけ。ロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)ら「第3の候補」に票が流れることを恐れるバイデン氏は、トランプ氏との1対1の討論会以外は出席しない構えだ。
テレビ討論会は9月10日にもABCテレビ主催で行われる。1988年から討論会を主催してきた超党派団体「大統領候補討論会委員会」(CPD)は9月以降、3回の日程を組んでいたが、両陣営とも「遅過ぎる」などとして欠席する。
[時事通信社]
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