女優の八千草薫さん死去=88歳、「岸辺のアルバム」などで好演
清楚(せいそ)な女性を演じ、戦後の復興期から舞台や映画、ドラマで活躍した女優の八千草薫(やちぐさ・かおる、本名谷口瞳=たにぐち・ひとみ)さんが24日午前7時45分、膵臓(すいぞう)がんのため東京都内の病院で死去した。88歳だった。大阪市出身。葬儀は近親者で済ませた。
1947年宝塚歌劇団に入団。在団中の51年に映画デビューし、「宮本武蔵」のお通役で一躍スターに。ローマで撮影された日本とイタリア合作のオペラ映画「蝶々夫人」ではヒロインの蝶々さんを演じて国際的にも高く評価された。
57年に宝塚を退団し、前年に出演した映画「乱菊物語」の谷口千吉監督と結婚した。「理想のお母さん」のイメージでテレビドラマにも進出。77年のドラマ「岸辺のアルバム」では、年下の男性と不倫する主婦を演じて新境地を開いた。
年齢を重ねても優しさをたたえた美しさを保ち、舞台では「二十四の瞳」の大石先生、「細雪」の幸子、「華岡青洲の妻」の加恵など、女性の芯の強さをにじませる役どころを好演した。
80歳を超えても映画「くじけないで」「ゆずり葉の頃」に主演。老人ホームを舞台にした2017年のドラマ「やすらぎの郷」ではマドンナ的存在の往年の大スターを演じた。
昨年、膵臓がんの手術を受け、復帰後はドラマや舞台にも取り組んだが、今年2月、肝臓にがんが見つかり、出演予定だったドラマを降板していた。
登山好きで、環境庁の自然環境保全審議会委員などを務めた。97年紫綬褒章、03年旭日小綬章。(2019/10/28-16:41)
Japanese Actress Kaoru Yachigusa Dies at 88
Japanese actress Kaoru Yachigusa, who has been active since the postwar reconstruction period and starred in many plays, movies and dramas, died of pancreatic cancer at a Tokyo hospital on Thursday. She was 88.
A native of the western Japan city of Osaka, Yachigusa, whose real name was Hitomi Taniguchi, joined Takarazuka Revue, a renowned all-female musical troupe, in 1947.
After making her film debut in 1951, shed rocketed to fame for her role as Otsu in "Samurai I: Musashi Miyamoto." She gained international acclaim for her role as the heroine in "Madame Butterfly," an opera film created jointly by Japan and Italy and filmed in Rome.
Yachigusa left Takarazuka Revue in 1957 and married movie director Senkichi Taniguchi.
While fans of Yachigusa's television dramas came to see her as the ideal mother, the actress broke new ground when she played a housewife having an affair with a younger man in "Kishibe no Album" in 1977.
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