2020.12.15 12:23World eye
運命を嘆くな コロナ禍に挑むドルチェ&ガッバーナのデザイナー
【ミラノAFP=時事】新型コロナウイルスの流行により、服飾業界ではこれまで当たり前とされてきたことが覆されている。だが、イタリア発のファッションブランド「ドルチェ&ガッバーナ」を率いるデザイナー、ドメニコ・ドルチェ氏(62)とステファノ・ガッバーナ氏(58)は、この危機的状況のおかげで、かえって発想が豊かになり、臨機応変に対処できるようになったと考えている。次回のオートクチュールコレクション用の短編動画を撮影したイタリア・ミラノの豪邸で、両氏がAFPの取材に応じた。(写真はイタリア・ミラノでAFPの取材に応える「ドルチェ&ガッバーナ」のデザイナー、ドメニコ・ドルチェ氏<右>とステファノ・ガッバーナ氏)
家族を題材にしたこの短編動画は、ランウェイを歩く従来のファッションショーの代わりに今月7日からオンラインで配信されている。
Q:デザイナーとして、この特別な時期をどう乗り切るか?
ガッバーナ氏:ドメニコも私も前向きな性格で、何かができないからといってめげることはない。もちろん、いろいろなことが以前のようにいかないのは事実だが。
でも、これはぜひ言っておきたいのだが、1984年にブランドを立ち上げたときの私たちはわずか300万リラ(現在の1500ユーロ、約18万9000円)しか持っていなかった。コートを作ろうと思っても、カシミヤは無理だったのでフリース素材にしたし、ジャージー素材でも服を作った。高価な生地を買うお金がなかったからだ。これが買えない、あれができないという状況は、今と似ている。
こうした状況にいると、創作力が研ぎ澄まされる。ドメニコも私も、追い詰められると最善を尽くす。挑戦するのが大好きだから。
ドルチェ氏:こういうところが「イタリア人らしさ」で、私たちは1000%イタリア人。大変なことが起きたときは創意工夫を凝らす必要がある。そこで止まっていてはだめ。自分の運命を嘆いている場合じゃない。楽観的に前向きな気持ちで対処しないと。
Q:高級ブランドをめぐる状況は複雑だ。今年の売上高は世界的に20%以上の落ち込みが予想されている。ドルチェ&ガッバーナの場合は?
ガッバーナ氏:ほとんどのことはオンライン上でなされている。eコマース(電子商取引)では4か月間で170%の伸びを記録している。顧客が皆、オンラインで購入しているためだ。
■コロナ禍で制限も強いられたが解放もされた
Q:今回のオートクチュールコレクションはどうやって用意を?
ドルチェ氏:オートクチュールは通常なら、半年もしくは1年も前から計画するのだが…。私たちは自問した。今、重要なことは何だろう? 従来と同じようなファッションショーをやってもあまり意味がない。つまらない気がした。
私たちにとって、今回のコレクションはセラピーのような効果があった。こうした状況で制限も強いられたが、一方で、解放もされた。ルールをどんどん壊していいんだと思えた。
Q:コロナ禍で2人の働き方は変わった?
ガッバーナ氏:(以前は)やることが多過ぎて、がむしゃらに働いていたが、今はゆとりができてきた。
ドルチェ氏:何かをするにしても、間に合わないんじゃないかと気が休まらなかった。今は、とても幸せなことに、考える時間が私たちにはある。まるで1985年か86年ごろに戻ったようだ…。じっくり楽しみながら仕事をする喜びを私たちは再発見したところだ。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/12/15-12:23)
家族を題材にしたこの短編動画は、ランウェイを歩く従来のファッションショーの代わりに今月7日からオンラインで配信されている。
Q:デザイナーとして、この特別な時期をどう乗り切るか?
ガッバーナ氏:ドメニコも私も前向きな性格で、何かができないからといってめげることはない。もちろん、いろいろなことが以前のようにいかないのは事実だが。
でも、これはぜひ言っておきたいのだが、1984年にブランドを立ち上げたときの私たちはわずか300万リラ(現在の1500ユーロ、約18万9000円)しか持っていなかった。コートを作ろうと思っても、カシミヤは無理だったのでフリース素材にしたし、ジャージー素材でも服を作った。高価な生地を買うお金がなかったからだ。これが買えない、あれができないという状況は、今と似ている。
こうした状況にいると、創作力が研ぎ澄まされる。ドメニコも私も、追い詰められると最善を尽くす。挑戦するのが大好きだから。
ドルチェ氏:こういうところが「イタリア人らしさ」で、私たちは1000%イタリア人。大変なことが起きたときは創意工夫を凝らす必要がある。そこで止まっていてはだめ。自分の運命を嘆いている場合じゃない。楽観的に前向きな気持ちで対処しないと。
Q:高級ブランドをめぐる状況は複雑だ。今年の売上高は世界的に20%以上の落ち込みが予想されている。ドルチェ&ガッバーナの場合は?
ガッバーナ氏:ほとんどのことはオンライン上でなされている。eコマース(電子商取引)では4か月間で170%の伸びを記録している。顧客が皆、オンラインで購入しているためだ。
■コロナ禍で制限も強いられたが解放もされた
Q:今回のオートクチュールコレクションはどうやって用意を?
ドルチェ氏:オートクチュールは通常なら、半年もしくは1年も前から計画するのだが…。私たちは自問した。今、重要なことは何だろう? 従来と同じようなファッションショーをやってもあまり意味がない。つまらない気がした。
私たちにとって、今回のコレクションはセラピーのような効果があった。こうした状況で制限も強いられたが、一方で、解放もされた。ルールをどんどん壊していいんだと思えた。
Q:コロナ禍で2人の働き方は変わった?
ガッバーナ氏:(以前は)やることが多過ぎて、がむしゃらに働いていたが、今はゆとりができてきた。
ドルチェ氏:何かをするにしても、間に合わないんじゃないかと気が休まらなかった。今は、とても幸せなことに、考える時間が私たちにはある。まるで1985年か86年ごろに戻ったようだ…。じっくり楽しみながら仕事をする喜びを私たちは再発見したところだ。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/12/15-12:23)
2020.12.15 12:23World eye
For Dolce & Gabbana, no crying over crisis, be inventive
The coronavirus crisis has upended the norms of the fashion world, but Italian designers Domenico Dolce and Stefano Gabbana believe it has spurred them to be more inventive and resourceful.
With star-studded runway shows and in-person appointments now very difficult, the pair say they have been forced to hustle, recalling their early days in the mid-1980s.
Dolce, 62, and Gabbana, 58, spoke to AFP from an opulent Milan mansion where a series of mini-films for their upcoming haute couture collections were being shot.
These videos, based around the theme of family, will be broadcast online from Monday as an alternative to the customary catwalk show.
Q: How as designers are you getting through this very particular period?
Stefano Gabbana: Domenico and I are two positive people, we're not discouraged by the fact that we can't do certain things. But of course everything is more difficult.
But I have to remind you that when the brand was launched in 1984, we only had three million lire (1,500 euros/$1,824). We made coats from fleece because we couldn't make them in cashmere, we made clothes in jersey because we didn't have the money to buy more precious fabrics. It's a situation that can be compared to today: we can't buy this, we can't do this.
It sharpens inventiveness. When Domenico and I are under pressure, we give our best. We love challenges.
Domenico Dolce: This is part of 'Italian-ness'. We are truly 1,000 percent Italian. In times of disaster, you have to be inventive, creative, don't stop, don't cry over your fate, you have to react, with optimism, positivity.
Q: The situation is complicated for the luxury sector, which this year will see sales fall by more than 20 percent worldwide. How is it going for your fashion house?
Stefano Gabbana: Most of the work is done online. In some countries the shops are open, like in China. In others, they're not, especially in Europe and the United States.
We've seen 170 percent growth in four months in e-commerce, because everyone buys this way. There is a positive side to this situation, we are adapting to a new mode of buying, which was already highly developed in the United States and South America.
Q: How were you able to create this haute couture collection?
Stefano Gabbana: We have all human resources in-house, the designers, the embroiderers, everything is done in Milan. We managed to do it slowly, we weren't sure we could do it.
Domenico Dolce: The haute couture shows are usually planned six months or even a year in advance... We asked ourselves: what's important at the moment? To do a classic fashion show seemed a bit useless, a bit sterile.
In the beginning, Stefano was in favour of doing something, I was a bit against it. I didn't want to do anything, but he insisted. For us, this collection was therapeutic. Maybe this situation that blocked us on one side unblocked us on the other. We felt free to break the rules.
Stefano Gabbana: We've offered rather classic clothes, like a little black dress, for more mature women... for the younger ones we broke everything that could be broken and we rebuilt it, in a completely new way.
Q: Has the crisis changed the way you work?
Stefano Gabbana: We had too much to do (before), the pace was frantic, now it has slowed down.
Domenico Dolce: There was this anxiety about doing things, of running out of time. Now -- and this makes us very happy -- we have time to think. We are back like we were in the years 1985-86.... We've rediscovered the happiness of savouring our work.
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