2020.12.06 07:06Nation

公明、衆院選へ強まる「自己主張」 菅首相の配慮期待、自民に不満

 公明党が自民党に対し「自己主張」を強めている。75歳以上の後期高齢者の医療費の窓口負担見直しで主張を譲らず、4日に予定されていた政府の全世代型社会保障検討会議を中止に追い込んだ。衆院選に向けたアピールに加え、かねて太いパイプがあるとされる首相なら要求が通りやすいとの読みもあるようだ。
 政府は4日に首相も出席して検討会議を開き、窓口負担見直しの最終報告をまとめる計画だったが、直前になって急きょ延期を発表した。自公両党の協議が物別れに終わったためだ。「課題の重要性を政府も認識しつつある」。公明党の代表は記者団にこう解説してみせた。
 政府が描いているのは、年収170万円以上の後期高齢者の負担割合を2022年度から2割に引き上げる案だ。公明党は当初、決着の先送りを主張。すぐに取り下げたものの、今度は(1)年収240万円以上への対象絞り込み(2)実施時期は22年10月以降―などの要求を掲げた。
 公明党幹部は「ギリギリのラインだ」と、それ以上の譲歩に応じない姿勢を強調する。
 来年は10月までに衆院選がある上、7月までに公明党が重視する東京都議選もある。公明党が主張する窓口負担引き上げの実施時期からは、22年夏の参院選を意識している様子もうかがえる。
 距離のあった前首相から公明党に理解があるとされる菅首相に交代したため、配慮を得られやすくなったとの計算もある。山口氏は記者団に「菅首相は公明党の政策を作るプロセスに比較的理解がある方だ」と期待を隠さなかった。
 要求は政策分野にとどまらない。与党候補が空席状態の衆院広島3区では、自民党県連が候補者公募を始めた矢先に、副代表の公認を決定。首相に水面下で後押しを求め、県連重鎮の前政調会長には「譲らなければ岸田派議員の選挙には協力しない」と圧力をかけた。
 自民党内には不満が広がる。中堅議員は「公明党は理不尽だ。調子に乗っている」と猛反発。関係者は、首相自身も「やり過ぎだ」と漏らしていると明かす。週明けにも決着する医療費の窓口負担見直しの行方が注目されそうだ。(2020/12/06-07:06)

2020.12.06 07:06Nation

Komeito Growing Assertive in Japan's Ruling Bloc


Komeito is increasingly asserting itself in Japan's ruling bloc, which is led by the Liberal Democratic Party, ahead of key elections next year.
   A government meeting on social security reform, set for Friday, was canceled as Komeito and the LDP remained apart over a proposed increase in medical fee burdens shouldered by elderly people. The meeting was supposed to produce a final report.
   The government plans to raise the share of out-of-pocket medical payments covered by people who are aged 75 or older and earn at least 1.7 million yen annually to 20 pct starting in fiscal 2022, which begins in April 2022.
   Komeito had initially demanded the government put off a decision on the plan.
   Later, it proposed that the minimum annual income be raised to at least 2.4 million yen and that the new system not be introduced until at least October 2022.

最新ニュース

写真特集

最新動画