2020.11.13 16:56Nation

小柴昌俊さん死去 ニュートリノでノーベル賞―94歳

 素粒子ニュートリノの観測に成功し、2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊(こしば・まさとし)東京大特別栄誉教授が12日午後9時19分、老衰のため東京都江戸川区内の病院で死去した。94歳だった。愛知県出身。葬儀は未定だが、家族で執り行う。
 1951年、東大理学部卒。米国留学を経て58年に東大助教授、70年に同教授。87年に定年退官した後、東海大教授などを経て05年に東大特別栄誉教授。
 岐阜県飛騨市・神岡鉱山地下に、3000トンの水を蓄えた観測装置「カミオカンデ」の建設を提唱し、83年に完成させた。当初の目的は素粒子物理学のテーマの一つ「陽子崩壊」の観測だったが、小柴さんは宇宙から飛来するニュートリノの検出に使えると考え、装置を改良した。
 ニュートリノは理論的に存在が予測されていたが、あらゆるものを通り抜けるため観測が難しかった。小柴さんはニュートリノが水の分子と衝突した際、ごくまれに生じる光を捉えようと試みた。
 87年1月、カミオカンデで観測を開始。翌2月、地球から17万光年離れた大マゼラン星雲で起きた超新星爆発で生じたニュートリノの観測に成功した。小柴さんが定年退官する1カ月前だった。
 カミオカンデの後継装置で、5万トンの水を蓄え96年に観測が始まった「スーパーカミオカンデ」では、梶田隆章・東大宇宙線研究所長らがニュートリノに質量があることを確認した。梶田さんは恩師の小柴さんに続き、15年にノーベル物理学賞を受賞した。
 03年には、ノーベル賞の賞金などを基に、基礎科学研究や理科教育の振興を図る「平成基礎科学財団」を設立。科学教室の開催などを続けていたが、賛助金の減少や小柴さんら役員の高齢化で17年に解散した。家族によると、数年前から体調を崩し気味で、今年3月末から入院していた。(2020/11/13-16:56)

2020.11.13 16:56Nation

Japanese Nobel Winner Masatoshi Koshiba Dies at 94


Japanese Nobel laureate Masatoshi Koshiba has died at the age of 94, it was learned on Friday.
   Koshiba, professor emeritus at the University of Tokyo, was one of the three winners of the 2002 Nobel Prize in Physics for contributing to the detection of cosmic neutrinos.

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