2020.11.10 07:15Business

産業界、米の環境規制を注視 温暖化対策、強化の可能性―米大統領選

 米大統領選でバイデン氏の勝利が確実となり、米国が温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に復帰する見通しとなった。今後、米の環境規制が強化される可能性があり、自動車メーカーなど日本の産業界は動きを注視している。
 自動車各社は既に、欧米各国の環境規制強化を前提に、電気自動車(EV)など電動車の販売比率を引き上げる目標を掲げている。それでも、規制強化に積極的なバイデン大統領が誕生すれば、「規制が極端に振れることが一番危惧される」と自動車大手幹部は警戒。「(2035年にガソリン車の販売を事実上禁止する)カリフォルニア州のように、EVしか売ってはいけない州が出始めると事業コストが跳ね上がる」(別の自動車大手)と話す。
 鉄鋼大手JFEホールディングスの寺畑雅史副社長は9日、電話会議形式の決算記者会見で「新たなエネルギー戦略、北米の自動車の電動化は注視したい」と指摘。また、環境破壊を懸念し、バイデン氏が地中深くに埋蔵されたシェールオイルやガス開発の規制に踏み切った場合、「市況への影響は大きい」(杉森務石油連盟会長)とされ、原油価格の値上がりも予想される。
 今後、温室効果ガスの排出を減らすため「脱炭素化や再生可能エネルギー拡大を加速する必要が生じる」(電力業界関係者)ことは避けられない。一方、EV向け機器を手掛ける電機大手は「環境負荷の小さい技術や製品にとって、規制強化はプラスだ」と歓迎している。
 国内でも菅政権が「50年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」を表明。日本のCO 2総排出量11億3800万トン(18年度)のうち、産業、運輸部門や発電所などで6割以上を占める。企業は世界規模で取り組みの加速を求められることになる。(2020/11/10-07:15)

2020.11.10 07:15Business

Japanese Firms Closely Watching U.S. Environment Policy


Automakers and other companies in Japan are paying close attention to the possibility that the United States will toughen environmental rules following Democrat Joe Biden's victory in the presidential race.
   Japanese automakers are already moving to raise the proportion of electrified vehicles in their total sales in preparation for tougher environmental regulations in the United States and Europe.

最新ニュース

写真特集

最新動画