2020.11.04 13:04World eye
【解説】米大統領選、トランプ氏に残された勝利への道
【ワシントンAFP=時事】3日に投開票される米大統領選挙では、世論調査の支持率で民主党候補のジョー・バイデン前副大統領(77)が現職ドナルド・トランプ大統領(74)をリードしている。(写真は米国のドナルド・トランプ大統領)
討論会も終わり、数千万人が郵便投票や期日前投票を済ませた今、バイデン氏のホワイトハウスへの道は順風満帆のようにも思える。
だが、そうとは限らない。
トランプ氏には、当選が可能な道筋が複数ある。最も有望なのは、激戦州のフロリダとペンシルベニアを制した場合だ。
2016年の選挙でトランプ氏は得票数で対立候補のヒラリー・クリントン氏を300万票近く下回っており、バイデン氏に対しても得票率で敗北する可能性は高い。
しかし、米大統領選の勝者は有権者の得票率では決まらない。
米大統領は538人いる「選挙人」の獲得数によって決まる仕組みとなっており、トランプ氏は勝利に必要な選挙人を集められる可能性がある。
全米50州とコロンビア特別区(首都ワシントン)にはそれぞれ、下院議員の数に上院議員2人を足した数の選挙人が割り当てられている。最多の州はカリフォルニア(55人)で、次いでテキサス(38人)、フロリダとニューヨーク(いずれも29人)、ペンシルベニア(20人)となっている。
メーンとネブラスカを除くすべての州では、その州の総得票数で勝利した候補者が全選挙人を獲得する「勝者総取り方式」を採用している。候補者が当選するには、270人以上の選挙人を獲得しなければならない。
世論調査や識者によると、トランプ氏は前回制した共和党の地盤州すべてで勝利し、計163人の選挙人を獲得できる見込みだ。
一方のバイデン氏は、前回トランプ氏が勝ったミシガンとウィスコンシンの中西部2州などで勝利し、少なくとも260人の選挙人を獲得する見通しだ。
だがトランプ氏は、たとえ両州を失ったとしても勝利できる可能性がある。
民主党の元オハイオ州議会上院議員で、現在はアメリカン大学で教えるカプリ・カファロ氏は「もしトランプ氏が、ウィスコンシンとミシガンを除き前回勝利した全州で勝ち、ペンシルベニア、ノースカロライナ、アリゾナ、そしてフロリダを維持すれば、当選する」と指摘。「これは十分あり得る」と語った。
■鍵を握るのはペンシルベニア
政治情報サイトのリアル・クリア・ポリティクス(RCP)によると、ペンシルベニア、ノースカロライナ、アリゾナ、フロリダでの選挙戦は激戦となっている。
同サイトがまとめた11月1日時点の州別平均支持率では4州すべてでバイデン氏がリードしており、トランプ氏との差はアリゾナが1.2ポイント、フロリダが1.4ポイント、ノースカロライナが0.3ポイント、ペンシルベニアが4.3ポイントだ。
カファロ氏は「鍵となる州はペンシルベニアで、同州で勝てなければトランプ氏が十分な数の選挙人を獲得するのは難しい」としている。
またRCPの州別の平均支持率では、2016年にトランプ氏が勝利したジョージア、アイオワ、オハイオ、テキサスなどの州でも接戦となっていることが示されている。トランプ氏は、世論調査は不正確だと繰り返し批判してきたが、それでも多忙なスケジュールを縫い、前回選挙では9.4ポイントと5ポイントの差で制したアイオワとジョージアでの選挙運動に励んできた。
トランプ氏が選挙人を一人も取り逃せない接戦を見越していることは、ネブラスカとメーンの両州を遊説したことから示された。両州で接戦となっている選挙人はわずか1人だ。
他の州とは異なり、両州の選挙人(ネブラスカが5人、メーンが4人)は州全体の勝者と連邦下院選挙区ごとの勝者との間で分配される。
州全体の得票数ではネブラスカでトランプ氏が、メーンでバイデン氏が圧勝する見通しだが、いずれの州でも下院選挙区のうちの一つが接戦となっており、選挙人1人をめぐる争いが繰り広げられている。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/11/04-13:04)
討論会も終わり、数千万人が郵便投票や期日前投票を済ませた今、バイデン氏のホワイトハウスへの道は順風満帆のようにも思える。
だが、そうとは限らない。
トランプ氏には、当選が可能な道筋が複数ある。最も有望なのは、激戦州のフロリダとペンシルベニアを制した場合だ。
2016年の選挙でトランプ氏は得票数で対立候補のヒラリー・クリントン氏を300万票近く下回っており、バイデン氏に対しても得票率で敗北する可能性は高い。
しかし、米大統領選の勝者は有権者の得票率では決まらない。
米大統領は538人いる「選挙人」の獲得数によって決まる仕組みとなっており、トランプ氏は勝利に必要な選挙人を集められる可能性がある。
全米50州とコロンビア特別区(首都ワシントン)にはそれぞれ、下院議員の数に上院議員2人を足した数の選挙人が割り当てられている。最多の州はカリフォルニア(55人)で、次いでテキサス(38人)、フロリダとニューヨーク(いずれも29人)、ペンシルベニア(20人)となっている。
メーンとネブラスカを除くすべての州では、その州の総得票数で勝利した候補者が全選挙人を獲得する「勝者総取り方式」を採用している。候補者が当選するには、270人以上の選挙人を獲得しなければならない。
世論調査や識者によると、トランプ氏は前回制した共和党の地盤州すべてで勝利し、計163人の選挙人を獲得できる見込みだ。
一方のバイデン氏は、前回トランプ氏が勝ったミシガンとウィスコンシンの中西部2州などで勝利し、少なくとも260人の選挙人を獲得する見通しだ。
だがトランプ氏は、たとえ両州を失ったとしても勝利できる可能性がある。
民主党の元オハイオ州議会上院議員で、現在はアメリカン大学で教えるカプリ・カファロ氏は「もしトランプ氏が、ウィスコンシンとミシガンを除き前回勝利した全州で勝ち、ペンシルベニア、ノースカロライナ、アリゾナ、そしてフロリダを維持すれば、当選する」と指摘。「これは十分あり得る」と語った。
■鍵を握るのはペンシルベニア
政治情報サイトのリアル・クリア・ポリティクス(RCP)によると、ペンシルベニア、ノースカロライナ、アリゾナ、フロリダでの選挙戦は激戦となっている。
同サイトがまとめた11月1日時点の州別平均支持率では4州すべてでバイデン氏がリードしており、トランプ氏との差はアリゾナが1.2ポイント、フロリダが1.4ポイント、ノースカロライナが0.3ポイント、ペンシルベニアが4.3ポイントだ。
カファロ氏は「鍵となる州はペンシルベニアで、同州で勝てなければトランプ氏が十分な数の選挙人を獲得するのは難しい」としている。
またRCPの州別の平均支持率では、2016年にトランプ氏が勝利したジョージア、アイオワ、オハイオ、テキサスなどの州でも接戦となっていることが示されている。トランプ氏は、世論調査は不正確だと繰り返し批判してきたが、それでも多忙なスケジュールを縫い、前回選挙では9.4ポイントと5ポイントの差で制したアイオワとジョージアでの選挙運動に励んできた。
トランプ氏が選挙人を一人も取り逃せない接戦を見越していることは、ネブラスカとメーンの両州を遊説したことから示された。両州で接戦となっている選挙人はわずか1人だ。
他の州とは異なり、両州の選挙人(ネブラスカが5人、メーンが4人)は州全体の勝者と連邦下院選挙区ごとの勝者との間で分配される。
州全体の得票数ではネブラスカでトランプ氏が、メーンでバイデン氏が圧勝する見通しだが、いずれの州でも下院選挙区のうちの一つが接戦となっており、選挙人1人をめぐる争いが繰り広げられている。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/11/04-13:04)
2020.11.04 13:04World eye
Trump's potential paths to victory on November 3
Democrat Joe Biden leads President Donald Trump in the polls with less than a week to go before the US election.
The debates are over, tens of millions of Americans have cast their ballots already and the 77-year-old former vice president would appear to be on a glide path to the White House.
Not so fast.
The 74-year-old Trump has several potential routes to victory on November 3 and the most likely ones wind through the battleground states of Florida and Pennsylvania.
Trump lost the popular vote to Hillary Clinton in 2016 by nearly three million votes and is likely to lose it to Biden also.
But US presidential elections are not decided by the popular vote.
They are decided by the 538-member Electoral College and Trump could find a way to scrape together enough electoral votes to win.
Each of the 50 US states plus Washington DC has a number of electoral votes equal to their number of members of the House of Representatives plus their two Senators.
California, with 55 electoral votes, is the biggest prize followed by Texas with 38, Florida and New York with 29 each and Pennsylvania with 20.
Except for in Maine and Nebraska, all of a state's electoral votes are allotted to the winner of the popular vote in the state.
A candidate needs 270 electoral votes to win the White House.
- 'Plausible' -
According to the polls and the pundits, Trump is virtually assured of winning 163 electoral votes from the solidly Republican states that voted for him last time.
Biden looks poised to scoop up at least 260 electoral votes including two states that Trump won last time -- Michigan and Wisconsin.
But Trump can afford to lose those two midwestern states and still carve out a victory on November 3.
If Donald Trump wins all of the states he won last time with the exception of Wisconsin and Michigan and maintains Pennsylvania, North Carolina, Arizona and Florida, he wins, said Capri Cafaro, a former Democratic member of the Ohio state senate.
He gets to 270, said Cafaro, who is now an executive in residence at American University. And that's plausible. It's very, very possible.
The political tracking website RealClearPolitics (RCP) shows extremely tight races in Pennsylvania, North Carolina, Arizona and Florida.
RCP's average of state polls has Biden up by 2.4 points over Trump in Arizona, trailing by 0.4 points in Florida, leading by 0.7 points in North Carolina and up by 3.8 points in Pennyslvania.
Pennsylvania is key because it's going to be difficult for Trump to chisel together enough electoral votes otherwise, said Cafaro.
Trump held three campaign rallies in Pennsylvania on Monday and stressed the importance of winning the Keystone state.
We win Pennsylvania, we win the whole ballgame, he said.
But the Biden campaign has also devoted considerable resources to Pennsylvania and sent its heavy hitter, former president Barack Obama, there for his first appearance on the campaign trail.
And in a sign that the president faces an uphill climb this time the RCP polling averages also show close races in several states which Trump won in 2016 including Georgia, Iowa, Ohio and Texas.
Trump repeatedly denounces the polls as inaccurate but he has taken time out from his busy schedule to campaign in Iowa and Georgia, which he won by 9.4 and five points respectively four years ago.
In an indication that the White House anticipates a close race where every electoral vote counts, Trump has also visited both Nebraska and Maine, states where only a single electoral vote may be in the balance.
Unlike in the other 48 states and Washington DC, the five electoral votes in Nebraska and four electoral votes in Maine are divided between the winner of the popular vote in the state and the winners of each of their congressional districts.
Trump is expected to easily win the popular vote in Nebraska and Biden is on track to do the same in Maine but each state also features a hard-fought congressional race -- and the solitary electoral vote that comes with it.
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