個人投資家、機会損失に怒り システム障害「再発許されぬ」―東証
東京証券取引所で1日起きたシステム障害による終日の株式売買停止で、失われた取引機会は2兆円超に上るとされる。翌2日には通常通り売買が再開したが、障害の詳しい原因は未解明のまま。個人投資家は「再発は許されない」と怒りの声を上げている。
埼玉県川越市の50代女性はスマートフォン専業のスマートプラス(東京)やインターネット証券のSBI証券(同)などに口座を持つ。投資経験は約15年で、日本株と米国株の短期売買を続けている。
1日には保有銘柄の上昇を予想して売ろうと考えていたが、取引は不可能に。翌2日はトランプ米大統領の新型コロナウイルス感染が伝わり、株価は取得時よりも下がった。女性は「売却の機会を逸した。東証には二度と同じことを起こさないようにしてほしい」と憤る。
東京都に住む30代の会社員男性は3日付で上場廃止となった銘柄を9月にあえて購入した。上場廃止前の株は突然、取引が活発化して価格が上昇することがあり、その機会に売ろうと考えたためだ。
しかし1日の売買停止で「貴重な1日分の機会が失われた」。2日もこの銘柄は値が付かなかったために取引できず、「損失の半額だけでも東証に負担してほしいほどだ」と落胆した様子で語った。
マネックス証券(同)の清明祐子社長は、東証にシステム障害の検知体制強化を求める一方、「万が一の障害発生時には、問題の所在を早く端的に伝える情報発信が必要。顧客と取引所との間に立つ証券会社の役割も大きい」と話す。清明社長自身は1日朝、東証がホームページ上で取引停止を公表する前にツイッターで情報を発信。今後、交流サイト(SNS)の活用に一層力を入れていく考えを示した。(2020/10/04-07:19)
Individual Investors Angered by TSE Shutdown
Individual investors in Japan are angered by the full-day shutdown of the Tokyo Stock Exchange on Thursday, which is said to have deprived investors of trading opportunities for over 2 trillion yen.
Trading on the TSE resumed the following day, but the detailed cause of the computer system failure that cause the trading suspension remains unknown.
A woman in her 50s in Kawagoe, Saitama Prefecture, has trading accounts with several securities companies, including Smartplus Ltd., a smartphone-based specialist stockbroker, and online brokerage house SBI Securities Co.
With investment experience of about 15 years, she continues short-term trading in Japanese and U.S. stocks.
On Thursday, she intended to sell some of her holdings, thinking that their prices would rise, but the trading suspension left her unable to do the transactions.
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