2020.08.27 10:18World eye
エジプトの動物ミイラ、内部をX線で初めて解明 口開いたコブラも
【パリAFP=時事】動物のミイラ3体の内部を、3次元(3D)画像化技術を用いて調査した研究論文が発表された。ネコ、ヘビ、猛禽(もうきん)類の鳥のミイラを対象としたこの調査は、これらの動物がどのように死を迎えたかに関する前例のない手掛かりを、標本を全く損傷することなく入手することを目的に実施された。(写真はネコのミイラの頭部〈上〉と顎〈下〉の3Dスキャンデータ。英スウォンジー大学提供)
古代エジプトの人々はしばしば、家畜化された動物を人間と一緒に埋葬室に保管した。それは生者の国と死者の国の間の橋渡しを助けるためだった。
今日、世界各地の博物館には多数の標本が収蔵されているが、ミイラを傷つけずにその内部の情報を得ることはこれまで困難だった。
英国を拠点とする科学者らのチームは、英スウォンジー大学のエジプトセンターに収蔵されている動物のミイラ化した死骸3体の内部を調べるために、最先端の3次元X線画像化技術を使用した。
■口をこじ開けられたコブラ
1体目の飼い猫のミイラは生後わずか5か月で、脊椎が分離していることから絞め殺されたことが明らかになった。
2体目の標本は小型の猛禽類で、死因は不確定と判断された。
だが、研究チームを本当に魅了したのは3番目のミイラだった。外部からは、この卵形の物体はこれといった特徴がなく、何が入っていてもおかしくないように見える。
研究チームがこのミイラに3Dスキャンを実行すると、中に子どものエジプトコブラが入っていることが分かった。
さらに驚くべきことには、古代エジプトの埋葬儀礼に従い、コブラが口をこじ開けられた状態で埋葬されたことが確認された。
20日の英科学誌ネイチャー系列のオンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された論文の共同執筆者のキャロライン・グレーブス・ブラウン氏は「口を開いた状態にすることは、神の像と死者が感覚を取り戻し、それによって生者の国を見通すことを可能にするものだった」と説明する。
エジプト神話には多数の蛇神が登場し、爬虫(はちゅう)類のヘビは再生に関連付けられていた。その理由は、ヘビが脱皮する能力を持つからである可能性が最も高い。
「さらに、ヘビは土や火、守護や危険などとも関連付けられている」と、グレーブス・ブラウン氏は指摘した。
研究チームは、この技術によって、古代のミイラや遺物の秘密が解明されることを期待している。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/08/27-10:18)
古代エジプトの人々はしばしば、家畜化された動物を人間と一緒に埋葬室に保管した。それは生者の国と死者の国の間の橋渡しを助けるためだった。
今日、世界各地の博物館には多数の標本が収蔵されているが、ミイラを傷つけずにその内部の情報を得ることはこれまで困難だった。
英国を拠点とする科学者らのチームは、英スウォンジー大学のエジプトセンターに収蔵されている動物のミイラ化した死骸3体の内部を調べるために、最先端の3次元X線画像化技術を使用した。
■口をこじ開けられたコブラ
1体目の飼い猫のミイラは生後わずか5か月で、脊椎が分離していることから絞め殺されたことが明らかになった。
2体目の標本は小型の猛禽類で、死因は不確定と判断された。
だが、研究チームを本当に魅了したのは3番目のミイラだった。外部からは、この卵形の物体はこれといった特徴がなく、何が入っていてもおかしくないように見える。
研究チームがこのミイラに3Dスキャンを実行すると、中に子どものエジプトコブラが入っていることが分かった。
さらに驚くべきことには、古代エジプトの埋葬儀礼に従い、コブラが口をこじ開けられた状態で埋葬されたことが確認された。
20日の英科学誌ネイチャー系列のオンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された論文の共同執筆者のキャロライン・グレーブス・ブラウン氏は「口を開いた状態にすることは、神の像と死者が感覚を取り戻し、それによって生者の国を見通すことを可能にするものだった」と説明する。
エジプト神話には多数の蛇神が登場し、爬虫(はちゅう)類のヘビは再生に関連付けられていた。その理由は、ヘビが脱皮する能力を持つからである可能性が最も高い。
「さらに、ヘビは土や火、守護や危険などとも関連付けられている」と、グレーブス・ブラウン氏は指摘した。
研究チームは、この技術によって、古代のミイラや遺物の秘密が解明されることを期待している。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/08/27-10:18)
2020.08.27 10:18World eye
X-rays shed light on animal mummies' secrets
Scientists have used 3D imaging to examine the contents of three mummified animals -- a cat, a snake and a bird of prey -- to provide unprecedented insight into how they died, all without damaging the specimens.
Ancient Egyptians frequently preserved domesticated animals alongside humans in burial chambers to help bridge the gap between the realms of the living and the dead.
Animal sacrifice and mummification was so widespread that an entire network of farms and transport infrastructure was required to keep up with the demand.
Numerous specimens are held in museums around the world today, but their contents have until now been hard to divine without damaging the mummies.
A team of Britain-based scientists used advanced 3D X-ray imaging to see into three mummified remains stored at Swansea University's Egypt Centre.
The first, a house cat no more than five months old, was found to have been strangled -- as evidenced by separated vertebrae.
Every day when we X-ray something in the lab we know we could be the first people to see the inside in that way, said Rich Johnston, co-Director of Swansea's Advanced Imaging of Materials Facility.
But with animal mummies it provides a glimpse into the distant past, like a time capsule, he told AFP.
- Snake-gods -
The second specimen was a small bird of prey, whose cause of death proved inconclusive.
But it was the third mummy that really captivated the team. From the outside, the egg-shaped object appears to be non-descript and could contain just about anything.
When the team conducted 3D scans of it however, they saw it contained juvenile Egyptian cobra.
More astonishingly, they observed that it had been buried with its mouth forced open in accordance with an ancient Egyptian burial rite.
Opening of the mouth allowed statues of deities and the dead to regain their senses, to see thereby into the realm of the living, said Carolyn Graves-Brown, co-author of the study released Thursday in Nature Scientific Reports.
A number of snake-gods appear in Egyptian mythology and the reptiles were associated with rebirth -- most likely due to their ability to shed their skin.
They also are associated with the earth, and with fire and protection, as well as danger, Graves-Brown said.
The team said they hoped their technique could be used to get ancient artefacts to disclose their secrets.
Only with the higher resolution imaging did we find evidence of how the snake may have been treated while alive, or that snakes may undergo ritual processes during mummification, said Johnson.
That hasn't been seen before.
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