2020.08.21 16:41Nation

山崎正和氏死去、86歳 劇作家、評論家「柔らかい個人主義」―文化勲章受章

 「オイディプス昇天」など多くの戯曲を手掛けたほか、「顔の見える大衆社会」を提唱した「柔らかい個人主義の誕生」など評論活動でも知られた劇作家・評論家で文化勲章受章者の山崎正和(やまざき・まさかず)氏が19日、悪性中皮腫のため兵庫県内の病院で死去した。86歳だった。葬儀は近親者のみで済ませた。
 京都市生まれ。少年期を旧満州(中国東北部)で過ごし、京都大哲学科卒。同大大学院在学中から戯曲を執筆し、1963年に将軍・足利義満と能の達人を光と影の関係として捉えた「世阿彌」で岸田国士戯曲賞を受賞。その後、評論活動も開始し、近代日本文明論「劇的なる日本人」で72年芸術選奨新人賞、73年には森鴎外論に新たな視座を与えた「鴎外 闘う家長」で読売文学賞を受けた。
 関西大、大阪大教授、東亜大学長を歴任、教育者として後進の育成に当たる傍ら、「オイディプス昇天」などの劇作、「病みあがりのアメリカ」「不機嫌の時代」「柔らかい個人主義の誕生」の文明評論など、学問やジャンルの枠にとらわれない幅広い視野で活動を展開。サントリー文化財団副理事長も務め、社会文化活動にも尽力した。
 自らを「文化的保守」と位置付け、佐藤栄作内閣以来、時々の政権のブレーン役を務めた。政府の「追悼・平和祈念のための記念碑等施設の在り方を考える懇談会」メンバー(2001~02年)や文部科学相の諮問機関である中央教育審議会会長(07~09年)なども歴任した。
 06年に文化功労者に選ばれ、11年日本芸術院賞・恩賜賞、18年には文化勲章を受けた。(2020/08/21-16:41)

2020.08.21 16:41Nation

Japanese Critic Masakazu Yamazaki Dies at 86


Japanese critic and playwright Masakazu Yamazaki died of malignant mesothelioma at a hospital in the western prefecture of Hyogo on Wednesday. He was 86.
   Yamazaki, who had been advocating new individualism and the idea of personalized mass society, is known as the author of "Yawarakai Kojinshugi no Tanjo" (Birth of Soft Individualism), which sparked discussions about consumption culture.
   Born in the western city of Kyoto, he spent his childhood in former Manchuria, currently a northeastern part of China, and studied philosophy at Kyoto University.
   He started writing plays when he was a graduate student at the university.
   After receiving the Kishida drama prize for "Zeami" in 1963, he started his career as a critic. He also received prominent awards as a critic.

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